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『究極のエレガンスに出会いに、モード美術館でシャネル回顧展』ヨーロッパ写真日和VOL.241

こんにちは、吉田タイスケです。パリコレスナップを経て、今回は今年の10月に拡張工事を終えて再オープンした、パリ市立ガリエラ宮モード美術館で催されているココ・シャネル初の回顧展をご紹介します。

シャネルは「モードではなくスタイル、マニフェスト(宣言)」。

舞台はこちらです。元々は19世紀末、ガリエラ公爵夫人が自身の美術コレクションを展示する目的で建てたもの。イタリア・ルネサンス様式の建築は、それ自体が優美です。

現在はコロナ禍の影響で全ての美術館は予約制、一度に入場する人数も制限されています。

イオニア式の柱が立ち並ぶ、庭園側のテラス。

コレクションは年代を追って展示されています。左は1922年、シルクのドレスとジャケット。

会場に入って、最初に目にするのがこちらのジャケット。シャネルが手掛けたデザインの中で最も象徴的なもののひとつと言われています。

制作年は1916年、紳士の肌着に使われるのが一般的だったシルク製のジャージ素材を使い、シャネル自身が海辺へ出かけるために着用していたそうです。当時の女性ファッションにおける窮屈なコードから自由になり、快適でシンプルでありながらエレガンスを伴うスタイルは、今見ても全く色褪せません。

シルク・オーガンザから作られた、鮮やかなドレス(1935)。

それぞれのドレスは、美しい着物を眺めるような体験と共通するものがあります。

1935-36年の秋冬コレクションから、ウールのアンサンブルとケープ。帽子を被って、今でもパリの街に似合いそうですね。

展示空間のところどころに、シャネルについて著名人が語った言葉が配置されています。
「崇高なエレガンス、それがシャネルスタイルの価値の鍵となっている」フランスの哲学者、ロラン・バルト(1967年、マリー・クレール誌)。

1920年代のポシェット。

1927年、シルクの「日常」ドレス。

1931年、シルクアンサンブル。「その当時の女性たちのライフスタイル、立ち居振る舞いが伝わってくるドレスは、まるで翼を広げたサモトラケのニケのようだ」(エリザベス・ロンバック、2014)

シルクレースで作られた、イブニングドレス(1931春夏コレクション)。

スケッチも展示されていました。これらは当時(1937年)、ヴォーグやハーパースバザーでファッションイラストレーターとして活躍していたクリスチャン・ベラールが、シャネルのリクエストに応じて秋冬コレクションのために、いくつかのスタイルを描いたもの。

コート、1922年秋冬コレクション。当時シャネルと交流があり、ロシア革命でフランスに亡命してきた貴族が開いた刺繍のワークショップが手掛けたもの。異国感漂っているわけです。

1930年代に手がけられたイブニングドレス。

当時の雑誌も展示されていました。1960年ELLE2月号。

いまやシャネルの代名詞となったツイード&チェック素材。1969年ELLE9月号。

1964-65年、ツイード素材のスーツ。

「私たちはいつも、夢のドレスを作るところから始める。それからそれをカットして、揃えて、ムダなものを省いてく。何も付け足さない」ガブリエル・シャネル、ELLE 9月号、1957年。

こ、これは、、、制服!!(←落ち着け)と言いたくなる佇まい。シャネルって時々制服っぽくないですか?はい、突然究極のエレガンスから脱線して失礼しました。それぞれ1964年のコレクションです。

というわけで、モードを超え、女性のファッションだけではなく思想や生き方をも変革したシャネル。その回顧展をご紹介しました。制服、、じゃない、シャネルは永遠の憧れです。

次回の更新もどうぞお楽しみに。

『究極のエレガンスに出会いに、モード美術館でシャネル回顧展』ヨーロッパ写真日和VOL.241staff

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