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ヨーロッパ写真日和VOL.183『印象派絵画への旅。モネが待つマルモッタン美術館へ』

こんにちは、吉田タイスケです。久々に夜景のエッフェル塔を撮る撮影があって、先日トロカデロ広場に行ってきました。観光客だらけではあるものの、エッフェル塔がいちばん綺麗に見えるのは、やはりこの広場ではないかと思います。

さて、よく晴れたパリ16区。芸術月間のヨーロッパ写真日和(←勝手に決めた)では、緑の並木道を過ぎたところにある邸宅、マルモッタン美術館に今回は訪れます。

手前にあるハヌラグ公園を通ります。以前は近くに住んでいて、時々犬の散歩やピクニックに来ていました。懐かしや。

公園の片隅には、今でも手押しのメリーゴーランドがあります。
子供が集まると係りの人が代金を受け取って、くるくる手で廻すんです。音楽はもちろんナシ。未だにこんな素朴感があちこちに見られるのも、パリのいいところですね。
むしろ今となってはある意味新しいし、エコですから(笑)!

並木道を、通り過ぎれば美術館。

外観は省いて、いきなり1階のサロンです。マルモッタン美術館は、ムッシュー・マルモッタンが19-20世紀と2代に渡って蒐集したコレクション+その後フランス美術アカデミーの元に寄贈された印象派コレクション等で成り立っています。

マルモッタンといえばのクロード・モネコレクションは、地下1階になります。壁には大ぶりのヒゲに、帽子をかぶったモネの写真が。ちなみにこの写真、よく覚えておいてください、、、。

さて、階下に降りるとすぐの場所にわかりやすく飾られているのが、教科書にも記載されている「印象・日の出」。

時は1872年、モネを始めとした印象派の画家たちを表すことになった、最初の一枚です。とはいえ、この絵自体は長い不遇の時代(?)を経て、「傑作」との太鼓判を押されるのは戦後になってから。それまでの風景画は空を多く取り入れた画面構成だったのに対して、モネは水面の描写をメインにしています。
留まることはない一瞬の水面の反射を、モネは自宅にあの有名な池を作ってからも生涯追い求めるわけですが、そのモチーフはとても写真的だなと思いました。

モネがこの絵を描いた時代、写真機はだいぶ進化を遂げていて、動きのある被写体も対象になってきていました。モネ自身の写真も残されていますが、モネは水面を「自然の鉛筆」と呼ばれた写真で掬い取ろうとはしなかったのか、それはなぜなのか聞いてみたいですね。

連作「睡蓮」も、マルモッタンには多く所蔵されています。若干パリの中心部から遠いせいか、いつでもこの美術館は割と空いていてゆっくりと見られるので、印象派好きの方にはおすすめです。

モネモネモネ、、、。移ろう一瞬をキャンバスに定着させようとした、モネの軌跡が一同に。

こちらは晩年近くに描いた自宅の池にある太鼓橋。夕暮れでしょうか、
モネの筆は空間をも分解して形をとどめていません。光の反射や水のゆらめきを追い求めたモネは、結果として形態を放棄→光と色そのものが自立した主題となる→抽象画(フォーマリズム、モダニズム)へ達することになります。ますますカラー写真的なアプローチですよね。

そして、どこまでも絵に近づけるフランス美術館の鷹揚さよ!
おばちゃんズが絵に触れるほど近づいても、アラームもならず、係員も飛んできません。傍で見ている東洋人のワタクシがひやひやするんですけど(笑)。

絵画の前にロープがあるでなし、モネの絵筆のタッチを追体験できるほど近くまでいけるんです。きっと池の水面の底も覗けますね。魚が泳いでいるかも。

劇場がその演目への旅だとしたら、美術館は絵画への旅ということになります。水のゆらめきに身をまかせていれば、きっとモネが暮らしたジヴェルニーに旅立てるはず。

個人的に気に入ったのはこちら。1914-17年にかけて描かれた、睡蓮の連作のひとつ。

花もまだ咲かない季節、睡蓮の葉と池の水面に反射した光景を描いています。青空には雲が浮かび、水際の緑から睡蓮の葉、空までの色彩は限定されていて、なんていうか、逆さまなのに空に心が吸われそうです(←石川啄木か)。

他、2階には明るい心あふれるベルト・モリゾの作品も展示していますので、こちらもお見逃しなく。以上、マルモッタン美術館でジヴェルニーへの旅をご案内いたしま、、、あ、最後に大切なことを忘れていました。

「覚えておいてください」といった写真を覚えているでしょうか。帰り道のカフェで偶然モネに出会ったんです!!なぜ写真ではなくて絵画なのか、という問いには「その質問には、白ワインをあと3杯飲んだら答えられそうな気がするよ」と笑っていました(妄想)。

というわけで次回のシリーズ美術館は、ディオールのコレクション会場としてアクセス読者の方にはおなじみ(?)、ロダン美術館からお届けいたします。どうぞお楽しみに。

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