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『パリから日帰りで行く、冬の小さな美しい村』ヨーロッパ写真日和VOL.247

こんにちは、吉田タイスケです。常に斜光になる冬の光が好きで、夜明けの樹々のシルエットを撮影するために早起きしようといつも思いながら、気がつけば毎年春になっているのは呪いか何かでしょうか←いや、怠惰です。

さて、1月下旬はパリ・オートクチュールコレクションのスナップを撮影する時期なのですが、今年はコロナ禍で全てがオンライン、、、。というわけで、今回はファッションスナップはおやすみしてパリから1時間半、フランスの最も美しい村に登録されているLyons-la -foretを訪ねました。

絵本のような木組みの街並みですが、シーズンオフ&コロナ禍ということもあり、パン屋以外は全て休業中。人もほとんど歩いていません。カメラをぶら下げたアジア人はことさら珍しい存在だったでしょう。

シーズンには賑わうであろう街の中心にある、ホテル兼レストラン兼サロン・ド・テ兼アンティークショップ(←肩書き多いから)も、静かに息をひそめています。

クラシックな店内。窓から差し込む午後の陽光だけが、のんびり佇んでいました。

パン屋さんのウィンドウ。フランスは1月にエピファニーというカトリックのお祝いで、アーモンドペーストが入ったお菓子(ガレット・デ・ロワ)を食べる習慣があり(最近は日本でもお馴染みですね)、その中にフェーブと呼ばれる小さな人形が入っています。その人形が入っている一切れを食べた人が「当たり」で王冠を被るのですが、このパン屋さんでは人形の代わりにコレクター心をくすぐる10種類のシトロエン2CVが入っているんです。ほしい!←まんまと乗せられている。

15世紀に作られたホール。今はここで週に三度のマルシェ(市場)が開かれます。

美しい村はどこでもそうですが、このリヨン・ラ ・フォレも「芸術家に愛された村」でした。写真の大きな18世紀の木組みの家には、作曲家のラヴェルが何度も滞在しています。

「よくぞここまで来たにゃ」

小道にあった、猫の壁飾り。この家に猫が飼われているのでしょうか。ほしい!←もういいから。

村の中には歴史的な建築がいくつもあります。通りの突き当たりに見えるのは、17世紀に建てられた修道院が経営する寄宿女学校。深い森に囲まれたこの村の一角で、名家の子女が集まり学び、悩み、喜び、青春していたわけですね(しみじみ)。

元寄宿舎に今はどなたが住んでいるのかは存じませんが、番犬にやる気がないことだけはよくわかりました。

たまに人が歩いていると、それだけでシャッターを押してしまいます。

吐く息が白くなるように、いくつかの家で暖炉を使っているのか、煙突からたちのぼる煙。

続いて、水車があると地図に描いてあったので来てみたのですが、そこにあったのは水車跡でした。

しょぼい、、(←オイ!)。しかし立て札によると、王立水車であるこの水車は19世紀末まで、村に電気を運ぶ存在だったとありました。ここが村の水力発電だったんですね。でもエジソンが白熱電球を発明したのが1879年ですから、すでに19世紀末。一般家庭に電球がまだなかったとすると、この村の水力発電は何に使われていたんでしょう。

などと電気の歴史を考えながら、森を歩きます。深い自然に囲まれた谷間の村では、一歩出るとすぐに森林浴を楽しむことができます。

冬の木漏れ日。

村の外に広がるこの風景はプライベートガーデン。ここが自宅の庭だったら、、←妄想中。

街に戻り、一軒だけ開いていたアンティーク・ブロカントのお店を訪ねてみました。

なんと、馬車も販売しています。一台如何ですか?

澄んだ青空も気持ちがいい午後、冬の美しい村散歩をお届けしました。ヨーロッパ内でも有数のブナ林に囲まれているリヨン・ラ ・フォレ。暖かくなったら、周辺の森をハイキングしてみたいと思います。次回はまたパリからの予定です。どうぞお楽しみに。

『パリから日帰りで行く、冬の小さな美しい村』ヨーロッパ写真日和VOL.247Takashi -タカシ-

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