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『独自の世界観。映画衣装デザイナーのアパルトマンを訪ねて』ヨーロッパ写真日和VOL.262

こんにちは、吉田タイスケです。今回は独特の世界観を持つパリジェンヌのアパートをご紹介します。映画の衣装デザイナーのポリーヌ。映画業界の前はシャネルの宝石部門やVogue Italieなど、モード業界で経験を積んできました。黄色、グリーン、紫と、ともすれば強すぎる色合わせですが、まるでギャラリーのようにまとまっています。その秘密はどこから来るのか、部屋を案内してもらいながら話を聞きました。

» Pauline Jacquard : Instagram

ポリーヌが暮らす、パリの一角。彼女が関わっているわけではありませんが、通りの壁に描かれたグラフティからして、ただ事ではありませんな←え?。

こちらは玄関の棚の上にある白い花瓶群。蚤の市で購入したり、陶芸家の作品に出会ったり。普通は白い花瓶ひとつであとは他の色を置いたりすると思うのですが、こうして白を複数並べることで調和と差異をこちらが探してしまい、まるでタイポロジーアートのようです←深読みしすぎ?。左から二番目はポルトガルの作家Bela Silvaの作品。部屋を全て見てから振り返ると、ポリーヌの好みをよく反映しています。

Bela Silva
https://www.serax.com/fr/designer/belasilva

キッチンにて。この壁紙にも最初は驚きました。友人がPierre Frey(ファブリック全般を扱う、フランスの老舗ブランド)とコラボレーションして作った作品だそうです。大理石のような、水の中にいるような、、。正直に言うと始めは自分の中で違和感があったんですが、ポリーヌが選ぶものは棚に並べられたポットやカップからもわかるように、ナイーフ(素朴)で「自然にある要素」を多く残しているんです。それが分かってからは、壁紙もむしろ好きになりました。

Pierre Frey
https://www.pierrefrey.com/en/

トップスはグッチ、パンツはヴィンテージ・シルク、靴はDavid Beauciel。

David Beauciel
https://davidbeauciel.com/fr/

冷蔵庫の上には母親からプレゼントされたメキシコの「ノアの方舟」。我が家にもメキシコ風ノアの方舟(やはりヘタウマ系)があるので、なんだかポリーヌママに親近感。

中段水玉のグラスは、娘にリンゴジュースを飲ませるために購入したもの。「お姫様ですよ」と渡すと、喜んで飲むようになりました(微笑ましい)。下段右は妹からのプレゼント。ありそうで見ない、50年代アメリカン・ヴィンテージ。

キッチンの壁には蚤の市で見つけた絵。これもやはり素朴派であり、花の位置、色が絶妙です。花弁の水玉も、一瞬どぎついけど美しい世界。

隣人と共有で使える中庭。今のところまだ、腰を据えて手入れをする時間がポリーヌにありませんが、ここでもぜひ「リアル素朴派」を展開してほしいです←個人的希望。

最初の部屋(寝室)に戻ってきました。黄色いメリディアン(ベッド横のソファ)はヴィンテージのものにRubelliの布を張っています。そしてペインターでもあるポリーヌ、奥の緑の壁は自分で塗っています(!)。

Rubelli
http://www.rubelli.com/it/

マラカイト(孔雀石)をモチーフにした抽象絵画。よく眠れるような、そうじゃないような、、←オイ。でもマラカイトは安眠、癒し、体力の回復に効果があるとも言われているので、寝室にはぴったりのモチーフです。ほんとに石の断面のよう。ベッドを覆うのはヤギの毛皮。思わず寝転びたくなります。

さて、もう1ルック着てもらいました。サンダルはイブ・サンローラン。

トップスはエルメス。パンツはヴィンテージ、イヤリングはイブ・サンローラン、バッグはシャネル。

ベッド同様、バッグもモフモフです。

つい物をたくさん置いてしまいがちなチェストですが、あえて数を絞ってすっきりと。

左の二つは有機的(?)なフォルムが印象的な70年代のキャンドル。もったいなくて燃やせないですね。

百合が飾られていた花瓶、実は裏が一輪挿しになっています。騙し絵のようで面白いです。

ちょっとユニークなランプ。こちらもブロカントで見つけたもの。

メリディアンと並び、寝室に雅を付け加えているこの折り畳み椅子。なんと道で捨てられていたものを拾ってきたそうです。それに自分でタッセルをつけました。マリー・アントワネットもタッセル(房飾り)が大好きだったそうですが、この装飾をつけるだけで急に王室感が足されるような気がします。

いろいろとエピソードが充実しているポリーヌのアパート、百合まで何かのオブジェに見えてきます。

好きな色は緑、黄色、ピンク。マラカイト壁を背景に、ポーズが決まりすぎるポリーヌです。王族ですか?

こちらのピアスもイブ・サンローラン。フリルの襟におおぶりのヒトデ(?)モチーフが似合っています。そういえば、この質感もナイーフ(素朴)ですね。

「ちょっと待って」と突然床に寝て、ベッドの下を捜索し始めたポリーヌ。何を探しているんでしょう。

手を伸ばして床から引っ張り出したのは、愛猫のミシェルでした。ちょっと頼りない感じの青い瞳がたまりません。ポリーヌさん、御髪が乱れてますが気にしません。それよりなにより猫ですから。

映画撮影のためにポリーヌが製作したアクセサリー。左の黒いものふたつは、靴につけるものだそう。どんな映画なのでしょうか。

Olympia le tanで働いていたこともあり、部屋にはレアなクラッチバッグがたくさんあります。文学とファッションの融合。

Olympia le tan
https://olympialetan.com/

片隅に重ねられたエルメスの箱。ハンマーやドライバー、ペイントするための道具など、便利BOXとして使っています。そのままインテリアにもなるし丈夫だし、良いかもしれません。

リビング。壁の中心に飾られた絵はイル・ド・レに旅をした際に購入したもの。絵に描かれた女性がつけている珊瑚のアクセサリーが好きで、この絵のストーリー、背景を想像するのが楽しいと。後ろのマットはメキシコのもの。ここにも緑、黄色、ピンクがあります。

色や飾っている小物、壁の装飾など、独自の世界観が伝わってくるポリーヌ。何かひとつのテーマを意識しているわけではなく、「自分の好きなもの」を自然に集めているだけと話します。ただインスタグラムなど、流行を発信するものからあまり影響を受けないように距離をとっているそうです。コマーシャル含め、あらゆる情報と価値が溢れている現代、「自分が本当に好きなものは何なのか」を見失わないことが、スタイルを持つことに繋がっているんですね。次回は久しぶりに復活したパリ・オートクチュールコレクションのショー会場前から、ファッションスナップをお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

Coordination: Tomoko YOKOSHIMA

『独自の世界観。映画衣装デザイナーのアパルトマンを訪ねて』ヨーロッパ写真日和VOL.262Takashi -タカシ-

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