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ヨーロッパ写真日和VOL.56『不思議の国のパリ』

こんにちは、吉田タイスケです。
秋晴れの一日、今年の春にロンドンのサーチギャラリーから始まり、9月にパリはセーヌ左岸で展示されたエルメスの特別展を見てきました。

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晴れた日の午前中にパリを歩いていると、何だか光と空気に透明感があって、よし、これからは毎日こうして出かけようという気分になってきます。自分的有史以来、それが続いた試しはありませんが…。

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特別展の会場はこちら。川沿いに仮設の大きな箱(?)が設置されています。しばらくこのあたりを歩いていなかったのですが、オルセー美術館と平行するセーヌ左岸の散歩道は、ここ数年でずいぶんと様変わりしました。以前は何もなかったところにベンチやカフェスペースが設置され、箱庭ができて、クレープ屋さんもあって、まるでフランスじゃない場所を歩いているようです…(長らくセーヌ河岸は商業的な施設もほとんどなく、車専用道路でした)。

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さて、こちらはエルメス展。テーマは「ワンダーランド」です。フランスならぬ、『不思議の国のパリ』へようこそ。

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エルメス所蔵のコレクションを見ながら、不思議の国を歩きます。

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全てがさかさまの部屋。

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この展示会場の中に、「もうひとつのパリ」が作られていました。ここでは全てがさかさまだったり、傘から落ちる雨のしずくが青空になったり。

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こんなカフェ空間まで!お店の名前は「忘れられたもののカフェ」。

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お店前にたたずむ犬の首輪も、ちゃんとエルメス皿。

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『黄金色に燃えるアセチレン光の輝きの下、冷たい大理石と、澄んだガラス瓶の檻の中に身を委ねたカフェの名残り。それは忘れがちなもの、「さあ、気ままに歩こう」』(拙訳失敬)

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展示会場には、前回お伝えしたパサージュまで作られていました。

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ショーウインドウを眺めながら、エルメス世界をそぞろ歩き。遊び心が随所にちりばめられた展示でした。ちょっと想像力を働かせれば、この世界はもっと楽しくなるよね、と言われているような。ネズミの王国へ行かずとも、いつでもワンダーランドはそこにあるのかも知れません。「フラヌール」=気ままに歩く、そぞろ歩きの精神がエルメスのクリエイションの原点ということで、最後は壁にこう書かれていました。

『「気ままに歩く」ということは、何かを拾い集めるようなもの。失われた時間の中で見つけたイメージや兆しは、貴方にとって大切なものかも知れない。そのように満ち足りて彼らは言った「さあ、戻ろう」』

次回もパリからお伝えします。どうぞお楽しみに。

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