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ニューヨーク・ニューヨークVOL.91『クロムハーツ、赤の世界』

(写真:Laurie Lynn Stark、Chrome Hearts、DARK_ROOM_0507nn_logo)

今日は、マディソンです。 

まだまだソーシャルディスタンスにマスク着用ですが、マンハッタンも少し落ち着いてきました。
今年の夏はコロナで観光客がいないので、富裕層が郊外の別荘に行ってしまったマンハッタン、今とても静かです。

写真は日本でも人気の西海岸ブランド“クロム・ハーツ”の2020年秋冬キャンペーンから。8月5日に一斉にメディアリリースされたばかりです。クロム・ハーツは本来は西海岸ブランドなんですが、もちろんマンハッタンにも2店舗出店しています。

こんな風景だとマンハッタンとは信じられないんですが、セントラルパーク内もコロナでいつものような賑わいがありません。

実はセントラルパークは、アメリカで一番観光客が訪れる都市公園なんだそうです。
毎年訪れる観光客の数は、統計では3,500万人にも達するそうですから、凄いですよね。

1854年に開園したこのセントラルパークは、南北に4キロ、東西に0.8キロ、3.4平方キロメートルもの広さがあります。園内に湖や貯水池や自然保護区まであって、それを遊歩道で繋げているんです。そうそう、ニューヨーク・マラソンのゴール地点でもありますね。

1810年頃から、ロンドンのハイドパークやパリのブローニュの森のように都会のオアシスとなる場所が必要だと言われ始めて、40年以上かかってようやく完成したそうです。

その後1930年代にはホームレスの人たちが住み着いたり、一時的に犯罪が増えてしまったりもしたんですが、1994年共和党のジュリアーニ市長のとき街に大量に警察官が増員されて、セントラルパークにも独立した警察管区がもうけられました。以来、今ではすっかり安全な人々の憩いの場になっています。

お天気がいいので地下鉄は使わずに、セントラルパークの中を通ってアップタウンに上がってきました。

マンハッタンは東西のクロスタウンのブロックは長いんですが、南北のブロックは短く、マディソン街など立ち並ぶショップのウィンドーを眺めているだけで、自然にアップタウンまで来てしまいます。

空気のきれいな公園内は、お天気のいい早朝はジョギングや犬を散歩させる人たちがたくさんいて安全ですし、あっという間にパーク沿いにメトロポリタン美術館のある84丁目の出口まできてしまいました。

クロムハーツは71丁目のマディソン街にあるので、マディソン街を少し南に戻らなくてはなりません。
ただマンハッタンの2店舗のうち、こちらの方はアクセサリーが主でマディソン街ショップらしく小ぶりです。

ダウンタウンのウエストビレッジにあるホイットニー美術館近くの方がフラグシップで、大胆な内装でクロムハーツ的世界が広がっています。ですから、初めて訪れるならお勧めはビレッジ店の方になりますね。

(写真:Laurie Lynn Stark、Chrome Hearts、DARK_ROOM_0405_logo、DARK_ROOM_0448_logo )

冒頭の写真にも登場しましたが、今年のクロムハーツの秋冬ものは、アートディレクターを創業者の妻のローリー・リン・スタークが努めました。撮影も彼女です。

写真家の彼女は、ここに登場している著名モデルのステラ・マックスウェルやジョーダン・バレット、それにパリス・ブロスナンらと個人的に親しい間柄だそうで、そんな親しいモデルたちを彼女自身の現像室で撮影することでクロムハーツ的世界を演出したかったそうです。

秋冬は新作のサングラス・コレクションにも力をいれているので、その意味でも、赤い照明の現像室は背景にピッタリということなんでしょう。

リン・スタークはこれまで、80年代を代表するトップモデル“シンディ・クロフォード”の娘のカイヤ・ガーバーはじめ、ジジ・ハディットら著名モデルと世界的なキャンペーンを次々展開してきました。

そうそう、ここに登場しているマックスウエルの人気が出たのは、確かヴィクトリアズ・シークレットのエンジェル・コレクションでしたね。

(写真:Laurie Lynn Stark、Chrome Hearts、FRAGRANCE_LAB_0258_logo)

さすがヴィクトリア―ズ・エンジェルのモデルというか、マックスウエルのポージングはとっても大胆でセクシーですね。

こちらは去年の夏発売したフレグランス、+22を作っている研究室をイメージさせているキャンペーン写真。
セクシーなマックスウェルに目もくれず実験に集中しているのはパリス・ブロスナンですが、何処かで見たようなその面差し…と思っていたら、彼の父親は映画007でジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンでした。

もちろん証明のあて方もあるとは思いますが、二人とも肌の質感がマネキン人形のようで、イメージとしては、ロボット的カルバンクラインの世界といったところでしょうか。

(写真:Laurie Lynn Stark、Chrome Hearts、FRAGRANCE_PRODUCTION_0364_logo)

今度はバレリーナのように背中をそらせたポーズのマックスウェル。

彼女を支えているのはジョーダン・バレットで、彼はオーストラリア出身の男性モデルです。
2016年にはヴォーグが“今年を代表するモデル”と絶賛しましたし、メンズ・ファッション雑誌のGQでも“自身のスタイルを持っている男性”として賞に選ばれています。

ただ彼の着ているこの服装、学生服ですよね。
アメリカでも実は、日本のアニメを通じて学生服はお馴染みになりました。
クロムハーツはアジアでの人気が特にすごく、世界に向けてのキャンペーンだからこそ、少々ベタではありますが、アジアを意識しているようですね。

それにバレット、モデルデビュー当時にはデカプリオの若いころを彷彿させるチョイ悪なイメージで爆発的に売れたんですが、この学生服はダサ格好いいというところでしょうか。少しヨン様よりの眼鏡で…。

今ではマリブのロイヤルファミリーとも呼ばれている、クロムハーツ創業者のスターク・ファミリー。
実は創業したのは夫リチャードの方で、大工仕事をしていた彼は1988年に友人二人とクロムハーツを立ち上げました。

親しい友人だった音楽バンド“セクス・ピストルズ”“ガンズ・アンド・ローゼズ”のメンバーや、歌手のシェアーらに自身のブランドの服を提供、着てもらうことで宣伝に繋げたそうです。

共同経営事業は難しいと一般的には言われていますが、彼も友人二人と上手く行かなくなり、クロムハーツの権利を買い上げ、と同時に奥さんのローリー・リンを共同経営者に据えました。

彼女の方がファッション・インスティテュート出身で、自身の服ブランドを立ち上げてもいたので、力強い戦力になったと言えるでしょう。

クロムハーツのアクセサリーは日本で特に人気で、国内直営店が11店舗もあるそうです。

スターク・ファミリーのガレージから立ち上がったブランド。ビジネス経験豊富なCEOが運営しているわけではなく、手作り感が今も漂うあたり、ゴツゴツとした手応えの格好良さが、日本はじめアジアのセレブに受けているようですね。

ミッドタウンに戻ってきました。マディソン街をウィンドーショップしながら降りてくると、本当にあっという間です。

マンハッタンのレストランはまだ中で着席して食事ができないので、レストランは何処もこうして道路ぎりぎりにテーブルと椅子を並べています。歩いている人たちはもちろんマスク着用で、マスクだと3~5度は温度が上がるのか、湿度が高い日など息苦しくなってしまいます。

花粉の時期にみんなマスクをしている日本と違って、アメリカ人がマスクをしている姿などこれまで見かけて来なかったんですが、ここニューヨークでもマスク、すっかり定番になりました。

建築中のビルも、一休みしているようです。
マンハッタン内には建築再開しているビルも一部ありますが、なかなかソーシャルディスタンスを取るのが難しいんでしょうか。

ところで、コロナで改善されたものに交通渋滞があります。
以前はホテルやコンドミニアムの建築ラッシュで、表の道路には資材を運ぶトラックが一車線をふさいでいることなどざらでした。

考えてみれば、レストランの食材やショップの製品を運び込むにも一車線ふさがれていたので、以前は東西クロスタウンを車で移動するのに、雨の日など30分以上平気でかかってしまうこともあったくらいです。
それが今ではあっという間に目的地に着けてしまうんですよね。

ただ人々の活気が無いとニューヨークらしいとはいえません。
夏が終わって人々が戻ってきて、もっといえば早くコロナが収束して、観光客で本来の活気が戻ってきますように。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

ニューヨーク・ニューヨークVOL.91『クロムハーツ、赤の世界』staff

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