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ニューヨーク・ニューヨークVOL.96『ハッピィでシック、ジョナサン・アドラー』

(写真:by Jonathan Adler)

今日は、マディソンです。 
アーティスティックだけれど温かみあふれている…ここに紹介されている家具はどれも、ジョナサン・アドラーのものです。

一見しただけでは、古いのか新しいのかもわかりにくいんですが、不思議なエネルギーに満ち溢れていて、集めだすとクセになりそうな家具や小物ばかりなんです。

(写真:by Jonathan Adler)

最初にジョナサンが注目を浴びたのは、家具デザイナーとしてではなく、陶器の作品でした。
1993年に彼がバーニーズで発表した白と黒の陶器作品が大きく話題を呼んで、その後はテレビや雑誌で彼の作品の特集が組まれ、瞬く間に時の人になったんです。

今では世界中に17店舗を展開していて、デパートなどを加えると1000店舗で彼の家具は販売されています。

日本では西武百貨店で確か扱われていたと思いますが、そんなアドラーが、いよいよマンハッタンのアパーイーストサイド、高級住宅街にフラグシップをこの3月オープンしました。

(写真:by Jonathan Adler)

一見したところは舞台装置のようでもあり、アーティスト的不思議な空間でしょうか。
手前の銀の台に上に飾られている作品はお気に入りのようで、ダウンタウンの彼の自宅にも飾られていました。

確かおうち訪問番組でしたね。
マネキンを縦に4分割して、その間を金で塗ってくっつけて、上には羽飾りをつけてみたそうです。
シュールに飾るのが好きだと答えていました。

多色の色彩を置くのも好きで、クッションに縫われているデザインもカラフルです。
壁をブルーにしてしまうという発想が既に奇抜ですが、テーブルやカウチと合わせると、そのブルーが少しも奇異に見えないのが不思議です。

彼はさまざまなインタビューで、“照明は家用のジュエリーとして扱うべき”と公言しているんですが、この証明など、まさにジュエリーそのものですよね。

(写真:by Jonathan Adler)

この部屋はジョナサンお気に入りのパステルブルーを中心にデザインされていますね。
少々古臭くなりがちな印象の、ぎりぎりのところを椅子とテーブルの真鍮の足がポップにカバーしてくれています。

彼はもとは陶器作家を志していたんですが、両親の希望でアイビーリーグの名門ブラウン大学に進学しました。

とはいえ大学の勉強はそっちのけで、近くのロードアイランド州立デザインスクールで陶器作成に明け暮れていたそうです。そんな彼にデザインスクールの教師が“君には陶器の才能が全く無いから、法学院に進学して弁護士になりたまえ”と言ったという逸話が残っています。

その教師は、今の彼の華々しい活躍をどう思っているのでしょうか…。

(写真: by Jonathan Adler)

彼が初めて店舗オープンしたのは1998年、ソーホーでした。
インテリア・デザイナーとしてたくさんのホテルの内装も手掛けているので、アドラー的世界を親しく感じる人は世界中に多いと思います。
パーカー・パームスプリングス・ホテル、マンハッタンでは空中公園ハイライン沿いのアビントン・ハウス、などなど。

2011年春に終わってしまいましたが、全米一人気のトークショー “オペラ・ウインフリー・ショー” でもかなり頻繁に、インテリア・デザインの専門家として出演していましたね。

若い人たちの間では、オレゴン州ポートランド市やマンハッタンのお隣のブルックリン的インダストリアルが流行りではあります。

テレビの内装ビフォア&アフターのショーでは、インダストリアルと農場をミックスさせたインテリアも人気になってきています。

ただマンハッタン・アップタウンでは、イーストウエスト両サイドとも、芸術的で温かみあるアドラー的インテリアがまだまだ多くみられています。
インダストリアルな無機質スペースは、広さのある場所なら映えるんですが、スペースがなければ貧しくしか見えません。

スペースに限りのある都会、特にマンハッタンのように街中にアートがちりばめられている場所では、部屋の中もそんなアートの世界と繋げた方が、逆に開放的に感じるんでしょう。

(写真:by Jonathan Adler)

深みのある緑なので、年配者でも落ち着く内装になっています。
それなのに、絶妙な金色の使い方で、モダンな雰囲気もかもしだしていますね。ここでも、照明は家のジュエリーというジョナサンの視線を感じます。

彼は全く関係のないものを関係のない場所に配置して楽しむことも、好きなんだそうです。壁の金色の飾りなど、まさにそうですよね。

ミニマリストの人たちのような、必要なものだけの部屋は効率は良いかもしれませんが、彼の部屋と比較すると潤いにかける気がしますね。

彼のスタイル、グラム・デコといわれるスタイルには金や真鍮が多く使われていて、フェイク・ファーも多々見られます。

ラグはヴィンテージで、鏡も多く使われているんですね。もちろん使い方によるとは思いますが、鏡を上手く使うことは、マンハッタンのように土地が高く広さが望めない場所では内装の重要なポイントだと思います。

(写真:by Jonathan Adler)

ジョナサンが提唱していることが二つ、この部屋には表現されています。

一つ目は、“オレンジを使うことをためらわない。”この部屋など白と黒で統一せずに、あえてオレンジをさし色に使うことで、ぐっと温かみが増しています。

二つ目はカーテンの使い方。“カーテンはとにかく上から引くことで天井を高く見せる。”
それから、壁の絵、黒のライトの下にある金色の馬、そしてテーブル上の金色の鴨が上手く遊び心を開放してくれます。

彼がデザインした部屋は、大人の部屋でありながら、ワクワク感が一杯あるんですよね。
彼的インテリア・デザインはいろんな言葉で表現されていますが、彼自身にいわせれば、ハッピィでシックの2語に尽きるそうです。

シック、つまり粋であることを心掛けながらも、単に高級感あるだけの寂しいインテリア・デザインにはならない。人や動物や、モノの温かみがそこにはしっかりあるんですね。

アドラー・フラグ店とても楽しかったです。マンハッタンに来られたら、是非お訪ねください。

大きな家具を持って帰るのは難しいですが、彼が本来凝っていた陶器など小物もシュールで楽しい作品に溢れていますから。マンハッタンの熱がきっと伝わるはずです。

次のミーティングのためダウンタウンに向かうんですが、地下鉄の駅に降りると、駅の構内に、映画の撮影を模したミューローが。

地下鉄の効率だけを考えるなら、こんな壁画も要らないでしょう。宣伝広告のポスターばかりを並べておけば良いわけです。でも、遊び心はこんな通り過ぎるだけの場所でも私たちの心をホッとさせてくれますよね。

こちらも地下鉄の構内。今度はまるで日本画のようなすっきりした白いバラの花の絵。太陽の陽が当たらない地下鉄だからこそ、花の絵も心を和ませてくれます。

乗り換え駅にはタイムズ・スクエアを現したアート。マンハッタンの街にはいろいろなテイストのアートがあふれていて、それが街のエネルギ―を増やす手助けもしていると思います。

ジョナサンの内装は、単に生活をする場所を飾るのではなく、人生を生きる場所を暖かくする。

できるものなら、ハッピィかつ粋に毎日を過ごしていきたいものですよね。

コロナがまだ収束していず、自宅にこもる時間が増えたままだからこそ、自宅時間を暖かく過ごしたい。
自分らしさを内装でも表現したい。そう思いませんか?

ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

ニューヨーク・ニューヨークVOL.96『ハッピィでシック、ジョナサン・アドラー』staff

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