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『話題のアリューア・ショップ』ニューヨーク・ニューヨークVOL.124

今日は、マディソンです。

今日は7月ソーホーにオープンした話題のショップをたずねてみました。話題になっている理由というのがまず、このショップ、美容誌のショップだからです。allure(アリューア)誌といえば、アメリカではコスメやファツション・オタクには欠かせない雑誌で、その読者ターゲット層はというと、VOGUE(ヴォーグ)誌より少し若くて幅広い感じでしょうか。だからこそヴォーグ誌では取り上げられないインディー・ファッションやインディー・コスメらの人気急上昇ブランドが次々同誌で紹介されています。

トレンドを見るには最適なのでアメリカでは大人気ですが、日本版はないみたいですね。お隣の韓国は美容大国らしく、アリューア韓国版があると聞いています。



この日もショップ表でイベントの準備にスタッフの人たち、忙しい様子でした。

さて、アリューア・ショップが話題になっている理由の2つ目ですが、コラボイベントがとにかく頻繁に行われています。聞くところによると、10月までの60日間の間にイベントの数が67回!ということは、ほぼ毎日何かのイベントで盛り上げられていたことになりますよね。

美容誌がショップを開くというのも驚きですが、その場所設定について、ショップの仕掛け役であるクリエィテイブ・ディレクターのソニー・ギンディー氏いわく、“情報を広く発信しやすいコーナー物件を探したよ。しかも小売りショップということで、ソーホー地区と急成長しているノリタの間、これほどピッタリな場所はないと思うよ”と。

しかも同誌購読者に、イベント情報は毎日メール配信されているそうです。ショップを作る決断の背景にあったのが、アリューア誌をコアに据えたタイトなコミュニティ作りで、その為のツールとしてのショップなんだそうです。



アリューア誌と言えば、その編集部がピックアップして紹介するブランドには読者からの強い信頼があります。

店内には常時150-250種のブランドの製品が販売されているそうですが、その上このショーウインドー“編集長お勧め”の製品が並べられています。ブランドとのコラボイベントの布石として、こんなに上手い方法ってあるんでしょうか。感心しました。

アリューア誌は1991年に創刊されましたが、そのバックには1909年に立ち上がったグローバル巨大メディア企業のコンドゥ・ナストが控えています。ですので、雑誌企業の視野をはるかに超えたマーケティング・アプローチができているのでしょう。

面白かったのは、マンハッタンの洒落たブテイックホテルArloとのコラボもあり、つまりアリューア誌の編集長が取り上げてピックアップしたブランドは、このショーウインドーを飾るばかりでなく、アリューア・ショップでイベントを開催でき、さらにはArloホテルのアメニティにも採用されるそうです。しかもその一つ一つが全米560万人の雑誌購読者に報告、つまり広告されるという仕組みなんです。上手いですね~。


(写真:PXL_20211022_161553498)

柔らかいピンクに赤の文字の、ポップなテントの下には小さなテーブルと椅子が置かれていて、お天気のいい日には、コーヒーを飲みながら美容やファッションの話ができます。

ただ今日は私、この近くにお目当てのクッキーがあるので、ここでクッキーは買いませんが…。

アリューア・ショップから5分くらいですか、歩くとありました!

ルヴァイン・ベーカリー。ここのクッキーは、ニューヨークで一番のクッキーと評されているんです。

1994年ですから、今から25年以上前になりますが、アイアンマン・レースのトレーニングをする仲間だったコニー・マクドナルドとパム・ウィーカスが共同でオープンしました。トレーニングは体力を消耗するので、二人はその後に食べる “世界で一番美味しいクッキーを作りたい” と思ったんだそうです。1993年にはコニーは仕事を辞めて料理学校に通い出しました。そしてできたのがこのルヴァイン・ベーカリーというわけです。

ニューヨーカーはルヴァインと呼んでいるんですが、これ、元々はフランス語のルヴァンに由来していて、ルヴァンというのは天然酵母の名前なんだそうです。

クッキーは左からチョコレートチップとクルミのクッキー、チョコレート味の生地にチョコレートチップが入ったクッキー、オートミールとレーズンのクッキー、それにダークチョコレートとピーナッツバターのクッキーの4種類あります。

名前こそフランス語のルヴァインですが、ピーナッツバターとチョコレートの組み合わせや、オートミールとレーズンというのは、アメリカ人が大好きな味のチョイスです。一つ6オンスというと約170グラム!クッキーというよりマフィンに形は近く、しかもずっしりと重いマフィンといった方が近いでしょうか。お値段も1ヶ4ドル50セント(513円、1ドル114円)とワンコインもしますが、十分に朝食の代わりになりそうなボリュームです。

味は中が生焼けっぽくしっとりしています。クッキーの記事にはタマゴが入っているので、本当の生では食べられませんが、アメリカ人、クッキー生地の味も大好きなんですね。よくアイスクリームのフレーバーにも、クッキー生地というのがあるくらいです。この生焼けっぽい味も、ルヴァィンのクッキーがニューヨーク1と言われている所以だそうです。

店内にはルヴァイン・クッキーをほめたたえる記事がぎっしり飾られていました。新聞のニューヨークタイムズ、雑誌のニューヨーカー、美容誌のエルまであります。

ブレイク・ライブリー、ダニエル・ブルックス、アンディ・コーヘンら、ルヴァイン好きを公言しているセレブは多々いますが、ルヴァインのインスタは20万人にもフォローされているというのだから驚きですよね。

4種類のクッキーのうち、何といっても一番人気がチョコレートチップとクルミのクッキーで、テイラー・スイフトが一口食べた後 “私、このクッキーを食べるために生まれてきたんだわ!” と叫んだという都市伝説があるくらいです。ただチョコチップとクルミ、1ヶ563カロリーもあるらしいので、いくら食べるために生まれてきたほど美味しくても、そう頻繁には食べられませんが…。

共同オーナーの一人、パムの方はファッション関係の仕事を以前はしていたそうで、だからでしょう、とってもスタイリッシュな紙袋ですね。マンハッタンを歩いているとこの袋、本当によく見かけるので、以前は何だろうと思っていました。一度味わうと、この紙袋を見かけたら必ずまた買いに行きたくなるに違いありません。

袋に記載されているサイトによると、このノーホーショップの他にも、オリジナルのアッパーウエストショップ、アッパーイーストショップ他、ハーレムにもお店はあって、ワシントンDCに出店、さらにボストンにも近々オープン予定と、ニューヨーク・ナンバーワンのクッキーとして全米に広がっていく感じですね。日本にもきっと近々来ることでしょう。

ただ店舗内にはカウンターはあるものの、カフェ仕様にはなっていないので、何処かでコーヒーを買って座れる場所を見つけようと思います。



ありました!お天気もいいので、ここなら座れそうだし、何だか楽しそう。折り紙のオブジェが何点か飾られています。

折り紙、実はアメリカでも人気なんです。ニューヨークにはOrigami USAという団体まであって、世界中19ヶ国に1,600人以上もの折り紙愛好メンバーをかかえていると聞きました。この団体、アメリカの自然史博物館に折り紙関連書籍をたくさん所有していて、世界最大級の折り紙図書館を運営しているそうです。それだけではありません。折り紙大会やワークショップをあちこちで開催することで、折り紙の楽しさを広げようと積極的に活動しています。公にまだ発表されていない折り紙図表も、何百も保管しているそうです。

この団体サイトによると、折り紙って、集中力や思考力を高めてくれるそうです。その結果、出来上がりを想像する能力が身につくことで、空間把握力や数学力まで向上するらしいんです。それだけ知能を高めてくれるのに、実際に必要なのが紙だけでコストも場所も要らないのだから、みんなで折り紙を楽しもうよ、と呼び掛けているんですね。

アメリカの人々にとって、映画トランスフォーマーと折り紙って、何処かで繋がっているようです。そう言われてみれば、折り紙は一枚の紙が様々な姿に形を変えていくので、元祖トランスフォーマーなのかもしれませんね。

今日はお天気も良く、とっても暖かいので、近くのスタバで買ってきたコーヒーをルヴァインのクッキーと楽しむことにします。折り紙オブジェを眺めながら。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょう。

『話題のアリューア・ショップ』ニューヨーク・ニューヨークVOL.124Takashi -タカシ-

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