ライフスタイルにプラスになる、ファッショナブルな情報を発信。-abox-

723

『イベントも復活、活気づくマンハッタン』ニューヨーク・ニューヨークVOL.131

写真:IBSNYSignage 1300 by IBS

マディソンです。

今日はジェイコブ・ジャビッツセンターで開催される、IBSインターナショナルショーに来ています。マンハッタン西側のハドソン川沿いにある巨大なコンベンションセンターで、通称ジャビッツ、その大きさは3,300,000スクエアフィート(約310,000平方メートル)もあり、東京ドームが約46,755平方メートルらしいので、約6.6倍もの広をイメージしてみて下さい。(難しいですね!)

34丁目から38丁目まで4ブロックにもわたって広がっています。


写真:IBSNYCrowds2 by IBS

落ち着いてきたとはいえ、まだまだコロナ感染者も多いと聞いていますが、凄いですね、この人込み。ショー会場があくなり、どっと人が押しかけています。マスク無しの人もちらほら。

IBSインターナショナルショーは、毎年3月に開かれる世界最大規模の美容ショーで、コロナ前には世界中から約6万人が3日間のショーに押し寄せて来ていました。コロナで一昨年は3日前に突然キャンセルされましたし、去年はリモートだったので、対面式のショーの開催は3年ぶりということになります。

数々のイベントがキャンセルされたジャビッツは、実はコロナ下では大量のベッドを置いた野戦病院のようになっていたので、ニュースで目にされた方もいるかもしれません。


写真:IBSNYCrowds by IBS


写真:IBSBoothDemo by IBS

そんな3年ぶりのインターナショナル美容ショー、ブースは400社以上立ち上がっているそうです。新製品や、美容の新技術のお披露目をこのショーで行う美容ブランドは多く、特に製品を使ったデモンストレーションが多くみられますね。

またブース会場とは別に、プロの美容師さんたちへのセミナー会場が併設されていて、アメリカ美容業界の重鎮たちがマスタークラスを開催しています。技術指導以外にも、最近はコンピューター技術を使った会計や集客の指導など、全部で100以上ものクラスが選べるようになっていて、美容業界の一大イベントだと言えるでしょう。


写真:IBSNYBooth by IBS

日本の鋼から作られたというカリフォルニアのブランド、ハットリ・ハンゾウ・ハサミというブースがありました。服部半蔵といえば確か戦国時代の大名だったと思いますが、まさか後年自分の名前でハサミが売られるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。タイムマシンでこの光景を見ればきっと苦笑することでしょう…。

日本のハサミは優秀とアメリカでは一般的に認識されています。ですので、それこそ10年ほど前には、たくさんのハサミ・ブランドがこのIBSインターナショナル美容ショーにもブースを出していました。長く円高が続いていたので、企業ブースを出してアメリカに進出するよりは、こうした美容ショーに視察に来て製品や技術を日本に輸入する企業の方が近年は目立ってきています。

日本のハサミ・ブランドはコロナ前には1~2社ほどに減っていましたが、コロナも収束してきていますし、円安を機にまた来年から日本のブランドもIBSショーに出店を増やしていくのかもしれません。


写真:IECSCBooth by IBS

美容師さんたちのためのイベント、IBSインターナショナル美容ショーの隣に、2002年からはスキンケアリストやエステティシャンの為にIECSCショーが併設されるようになりました。

老化予防のための新しいテクニックや、レーザートリートメントやライトセラピー、それに近年はCBD製品も人気です。

CBDというのはカナビディオールのことで、麻から接種されるマリファナの成分の一つ。幻覚を起こす成分のTHCとは逆に、リラックスを促す成分だとのことで、マリファナ自体も解禁が広がっているアメリカでは近年美容製品に次々起用されてきています。セレブの中にもCBD愛用者は多く、あのキアノ・リーブスまでが自身のCBD製品を製造販売しています。

日本でもCBD成分は合法なので、こうした美容ショーで見て日本へ輸入している業者も増えてきていると聞きました。


写真:IECSCShowFloor by IBS

IECSCの会場の方も人込み。ニューヨークではいま、屋内もマスク義務はなくなったので、こちらの会場の方もマスク無しが何人かいますね。



人込みから外に出ると、やっぱりホッとしました。

やってきたのが、最近人気のクッキーショップ、チップ・シティ。ニューヨークでベスト・クッキーといえば、これまで圧倒的にル・バンだったんですが、近頃追いついてきているのがこのチップ・シティなんですね。インスタグラムにかなり上がっていますし、ツイッターでも多くつぶやかれています。ル・バンは何度か行って3種類のクッキーとわかってきているので、今回はチップ・シティを試してみようと思います。



ル・バンでもそうでしたが、マンハッタンではやっぱりチョコレート・チップが一番人気のクッキーのようです。最後の1ヶしか残っていませんでした。ル・バンの方ではチョコレート・チップやチョコレート・ピーナッツバター、それにオートミールというラインナップなんですが、片や追いかけるチップシティには、クッキーアンドクリームと、アップル・オートミールという変わった品目が売られていました。

昔からアメリカでは、焼くのを待ちきれない子供がクッキーの生地をつまむ習慣があったようです。といって、生の小麦粉やタマゴが身体に良いわけはないので、そうした生感を楽しめる(実は焼いてある)クッキーのことをクッキーアンドクリーム味といいます。この味はアメリカでは大人気なんですね。

変わっているのが、アップル・オートミールで、普通オートミールというとレーズンとコンビになっているのがほとんどなんですが、ここではアップル。食べてみると、アップルパイのようなアップルソースが中でとろけて、これはとっても美味しいです。

ル・バンがフレンチっぽいシックなパッケージだったのにくらべて、チップ・シティの方はアメリカンで、如何にも楽しそう、ディズニーランド的といいますか。

実はもう一つのチップ・シティの魅力が、毎日クッキーの種類が変わることなんですね。チョコレート・チップだけは変わらないんですが、例えば今日なら他の3種はチョコレート・マカダミア、トリプル・チョコレート、それにペア(梨)のクッキー。梨のクッキーなんて珍しくて、ほとんどの人は食べたことが無いと思います。つまり、毎日買いに行けるんですよ。しかもホームページで今週のメニューを毎日紹介してくれているので、試したいクッキーをめがけて行けるところも人気の一つだったんですね。

ロックフェラーセンターに戻ってきました。この巨大シャベルの作品名はフランス語でプラントワール、ブルー。見た通りの“青いシャベル”というタイトルがついています。3月18日から5月6日まで飾られるようなので、丁度春のガーデニング・シーズンにピッタリのオブジェということでしょうか。にしても高さ7メートル、重さ1トン以上というのは凄いですね。

スゥエーデン生まれのアメリカ人彫刻家クレス・オルデンバーグと、ドイツ生まれのアメリカ人彫刻家のコーシャ・ヴァン・ブルッゲン夫妻のコラボ作品だそうです。二人は1976年以来共同で、チェリーが乗ったスプーンやドロップしたアイスクリームコーンなど、日常生活に溢れているものを巨大化した作品を発表してきていますが、1977年に結婚しています。

実はクレスは巨大彫刻以外にソフト・スカルプチャ作品も多々製作していて、それらは日本が生んだ世界的アーティスト、草間彌生さんに影響を受けて作り始めたと言われているんです。

さて、如何でしたか。

春らしく、街路に花々やシャベルのオブジェが飾られて、人込みも戻ってきているマンハッタン。仕事のキャリアップに、そして美味しいものへと、人々の欲望も着実にレベルアップしてきていると実感しました。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

『イベントも復活、活気づくマンハッタン』ニューヨーク・ニューヨークVOL.131Takashi -タカシ-

関連記事