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『ALANDで、ブルックリンの街並み』ニューヨーク・ニューヨークVOL.78

今日は、マディソンです。 ブルックリンで打ち合わせがあったので、話題のセレクトショップ「ALAND(エーランド)」にも立ち寄ってきました。

ブルックリンはウィリアムズバーグにあるLトレインの最寄り駅、モーガン駅にまず降りました。地下鉄の階段を上がって地上に着くとすぐ、このチートスの看板が!

チートスは、チーズ味のコーンスナックで、アメリカでは大人にも子供にも大人気です。このキャラはチェスターチーターといって、チートスのコマーシャルには必ず出てくるので、アメリカではお馴染み。にしても、大型トラックよりも大きなチェスターは迫力満点で今にも飛び出してきそうですね。

チートスの看板は宣伝用ですが、ブルックリンの場合、ストリートアーティストが壁に描いたものもあちこちで見ます。

モーガン駅のあるブッシュウィックと呼ばれるエリア、元は犯罪多発地帯だったそうです。ところが、この辺りに住んでいた父親が犯罪に巻きこまれ亡くなったことを嘆いて、2012年にジョセフ・フィカローラさんという人物がブッシュウイック・コレクティブというアート・プロジェクトを始動しました。今では世界中からアーティストが集まり、思い思いにこうした壁一面のアートを披露しています。犯罪ももちろん、大幅になくなりました。

打ち合わせの相手をカフェで待っているところです。プラスチックの容器はもちろんリサイクルで、ストローは紙製です。早く飲まないと唇にくっつくので、紙製は飲みにくいのですが、海の汚染状況を考えると文句は言えないですよね。

アーティストが集うこの辺りは環境意識の高い人が多いので、マンハッタンよりリサイクルへの配慮は徹底しています。メニューを見ていると、サンドイッチなどもオーガニックやべーガンなものが多くて、健康志向が浸透しているようですね。



打ち合わせも無事終えて、ブッシュウィックからマンハッタンよりのウィリアムズバーグにある、Lトレインのベッドフォード駅に降りました。この辺りはおしゃれなショップがたくさんあります。

4~5年前には、あえてマンハッタンではなくこの辺りにフラグシップを設けるヨーロッパのブランドも次々現れていたものです。マンハッタン並みに土地が高騰してきた現在では、少しその勢いも落ち着いて、ソーホーやミートパッキング、チェルシーといった地区にまた、ヨーロッパやLAブランドがフラグを設け始める流れに変わりました。

このリチュアルというお店、もちろんマンハッタン内にもあります。ただこんな風にレンガ壁にポエム的表現をしているあたり、とてもブルックリン的ですね。

リチュアルって、直訳すると儀式って意味なのですが、少しペースを落として毎日のささやかな習慣を、幸せを見つける意味ある儀式にできるお手伝い…といった意味が書かれています。売られているのはボディケア目的のバス製品が主なのですが、“あなたの身体、あなたの魂、あなたの儀式”っていいフレーズですよね。

隣にはこんな面白いレストラン・バーも。ここだけみると、まるでビーチのような…。ブルックリン的なものを表現するときに、インダストリアルな内装を思い浮かべることは多いですが、内装された店内の緑の多さも、実はブルックリン的ですね。外を中に取り入れる、ショップという敷居をなるべく無くす姿勢が感じられます。

ありました。「ALAND(エーランド)」。すっきりした印象の表です。



中に入るとこんな感じ。打ちっ放しのコンクリートはインダストリアルですが、デザイナーブースが細かく仕切られていて、外のおしゃれな感じとは少し違う暖かさで迎えられます。安価な10㌦アイテムを表に人を呼び入れる工夫も上手いですね。

店長のジェイムズによると、昨年7月にオープンしたばかりのこのショップ、今のところ韓国の心身若手デザイナーの品々が揃っているそうです。韓国内に店舗展開しているALANDがブルックリンに来るにあたり、まずは地元企業とパートナーショップを組むことから始まりました。

ブルックリンという場所で、どのような店舗デザインで、どのような品ぞろえが人気となるのか、そうした具体的なマーケティング情報への地元企業のアドバイスなしには、成功は望めないからと言っていました。

地元韓国ではラインより人気のカカオ(Kakao)のキャラクターグッズも売られています。このカカオフレンズ、ブルックリンでも人気上昇中なばかりか、K-POPで活躍中のシンガーやダンサーたちの中にも好きな人は多いとのこと。

ALANDは現在ソウルをはじめとする韓国国内の他、タイや香港にも進出、このブルックリン店を入れると全部で20店舗ほどにもなるそうです。実はただ今日本進出の話が最終段階に入っているそうで5月頃には出店するかもしれないと、先述ジェイムズが言っていました。となると、最初は韓国の若手デザイナー作のブランドから始まるのかもしれませんが、そのうち日本のデザイナーと半々にしたいな、とジェイムズ。

一階奥はこんな感じです。このブリックリンショップの場合、まだまだアメリカの若手デザイナーの作品は扱っていず、個々に揃っているのは韓国若手デザイナーによる作品、150ブランドほどだそうです。

ALANDは本来、地元の若手デザイナーがまずオンラインショップで販売を始め、自身のブテイックを立ち上げるほどに成長する前、ポップアップで実際の購買者が手に取って触れる機会を提供したい、そんなプラットフォームでありたいという視点から始まったビジネスだそうです。地元企業とのパートナーシップが、その為にもとても大切になってくるのでしょう。



一点遊び心の感じられるデザイン。日本ではお馴染みですが、ブルックリンでは新しく受け止められているようです。

マンハッタンでは今年大流行のフェイクファーもおさえてあります。ざっくりとした、このフワフワ感が人気です。

このショップで一番人気アイテムがこの帽子なんだそうです。

さて、如何でしたか。ALANDのフォントもAの上にダットを置くあたり、オンライン販売企業ブランドを強く意識していますね。遠くに見えますが、ただ今ウィリアムズバーグでも高層コンドミニアムが軒並み建築されてきています。この辺りは少し前まで第二のソーホーといった趣だったのですが、今ではソーホーやミートパッキング地区の方が、逆によりクラシカルな雰囲気を感じます。

アーティストが集う、粗削りなブルックリンさは、少し奥まったブッシュウィックの方まで入らないと味わえなくなってきているのかもしれません。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょう。

『ALANDで、ブルックリンの街並み』ニューヨーク・ニューヨークVOL.78Takashi -タカシ-

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