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ヨーロッパ写真日和VOL.101『フランス南西部で空の旅』

こんにちは、吉田タイスケです。ちょっと更新時期と合っていないかも知れませんが、これを書いているのは2017年1月初旬。
改めて、明けましておめでとうございます。2017年が皆さんにとって素晴らしい一年になりますよう、お祈り申し上げます。
さてこの写真、渋いおじさんが芝生の真ん中でひとり、風船あそびをしているわけではありません。
おじさんが何を見ているかというと、風船が飛ぶ方向で風を読んでいるんです。

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青空を天高く飛んでいく、白い風船。あの風船が飛んで行く方向へ、今回は気球で旅をします!

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皆さんは気球に乗ったことがあるでしょうか?僕は飛行機なら年に20回以上乗っていますが、気球はこれが生まれて初めて。
フランス南西部を某誌で撮影に訪れた際、空撮も兼ねて乗ることになりました。果たして気球の乗り心地はどんなものなのか、、。
白い風船を見ていたおじさん、まずは車の荷台に積んでいた気球部分を出して、バーナーで熱した空気を扇風機で内部へと送り込みます。

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着々と、膨らんでいく気球。

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このゴンドラは6人乗り。その中でいちばん体重の重いマダムがひとり、カゴが膨らんでいく風船部分に引っ張られないように、おじさんから重し役を言いつけられて、このとおり、、、。
ごめんねマダム、、、。

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さあ、だいぶ膨らみました。熱せられた空気が上へ向かう力で自然とゴンドラが立ち上がるのですが、浮かび始めたら気球が横に倒れないよう速やかに乗り込みます。

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こういう風になったら、素早く乗りこみましょう。

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そしてあっけないほどに、気球はふわっと浮かびあがりました。

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眼下には美しき青きドナウ、ならぬドルドーニュ川が流れます。

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ドルドーニュ地方は、たしかフランスでいちばん土地面積あたりのお城が多かったような、、。

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今回は二台で飛びました。川藻が見えるほど、水が透明です。

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だいたい高度1000mくらいまで、気球で登ります。降りるときは森の樹にぶつかるか、ぶつからないかギリギリのところを飛んでみたり、
ハンドルもないのにバーナーだけでよく操縦できるなと感心しきりです。

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バーナーが燃える音はうるさいし、時折熱いし、ゴンドラの中では立ちっぱなしなのですが、火を燃やしていない時は無音。
何の音もしない中で、窓もないゴンドラは、秋の夕暮れに触れながら滑るように空を飛んでいきます。
この「ゆっくりと静かに空を飛ぶ」瞬間が好きになったら、もう気球はやめられません←これ以来乗ってないけど。

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無事着陸したあと、気球をたたむ作業がまた一苦労。筋肉ムキムキ、刺青にモヒカンのアシスタントが息を切らせなければ、たためないほど(←?)。

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一緒に空を飛んで、何となく連体感が芽生えた皆とスパークリングワインで乾杯して気球ツアーは終了です。40分の飛行でお一人さま2万円から。
高いような安いような、、。でも語弊を恐れず書けば、星付きレストランで食事をするなら、一度は気球を選んでほしいくらい空を飛ぶことは楽しい体験でした。

気球は今から234年前のフランスで、人類が初めて「空を飛ぶ」という夢を叶えたものです。
ルイ16世の前で行われたモンゴルフィエ兄弟の実験には、パリの半分の人口が見物に訪れたと言われています。モンゴルフィエ兄弟は、洗濯物が暖炉に熱せられた空気で揺れているのを
見て、気球を思いついたそうです。以来、フランス語で気球は「モンゴルフィエ」。いまや鉄の飛行機に乗るよりも割り高な「空を飛ぶ夢」ですが、南西フランスといわず、どこかで見かけたら
モンゴルフィエにぜひご搭乗ください。気球宣伝家の吉田がお伝えしました。次回の更新も、どうぞお楽しみに。

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