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ヨーロッパ写真日和VOL.122『ドイツはミュンスターへ、10年に1度の彫刻プロジェクト。その2』

こんにちは、吉田タイスケです。前回に引き続き、10年に一度「公共空間と芸術作品」をテーマに彫刻プロジェクトが開催される、ドイツはミュンスターという街からお届けします。「自転車の街」と一部で(?)呼ばれるほど、とにかく自転車が多いミュンスター。街で見かけるその自転車にも“ドイツ”を見出すことができます。

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例えばこんな感じ。水玉もあちこちで見かけましたし、ハンドル横につけるベルもカメだったり、フランスにはない微妙なセンスを感じます(でも可愛い)。ちなみに写っている自転車そのものはオランダ産です。日本でも買えるらしく、ちょっと調べたらバイク並みに高かった、、、。

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さて、今回もアート散歩に出かけましょう。まずはこちらのスニーカー、靴下と一緒に脱いで放置されています。なぜかというと、、

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川を渡るためです(エエーー!!)。
https://goo.gl/85WJst

Ayse Erkmenというトルコ出身のアーティストによる作品。もうこれ、「彫刻」なんでしょうか??川の中に網状になっている鉄の海洋コンテナ?みたいなものを沈めて、その上を歩けるようにしたもの。裸足で歩くとけっこう痛いです。川を歩いている人を見ると膝下くらいまで捲っているので、そんなに深くないんだなと思って真似をした自分はアホでした。足の長さが違ってた!(←ミニな東洋人)。皆さんも膝上まで捲らないと、エライことになりますのでお気をつけください。

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「On Water(水の上)」と題されたこのインスタレーション、Webを読んでも作品解説は全く書いていませんが、とにかく楽しい。川を渡ることなんて、人生に何回あるでしょうか。途中で水鳥が横切るのに道を作ったりするのも、いとをかし。

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渡る人たちも、皆笑顔。古くはモーゼの出エジプトから、民族大移動、ヒトはこうして川を渡っていたんだなと思ったりもしますが、「向こう岸」に行くのがこんなに新鮮に思えたのは小学生以来でした←子供の夏休みか。ちなみにこのコンテナを踏み外すと普通に深い川で、強者は泳いだりするらしいですが、その辺は自己責任で。アートって何でしょうねえ。

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川から上がり芸術とは何か、そんな迷いを抱えた仔羊は、街の中心にある大聖堂へと参りました。

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清らかな聖堂。

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中庭の回廊に並ぶ、古の彫刻。昔は作者名も残さないまま、教会の彫刻などが制作されていたわけですが、、。これも彫刻、川も彫刻??

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鳩よ、何か知っているかね。

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アートが何かはひとまず置いておいて、それが自分の中の扉を新しく開けてくれるものであることは間違いないでしょう。これは何だろう、と考えることがすでに鑑賞ですから。というわけで次はピクニックがてら、湖沿いに設置された恒久コレクションを見に行くことに。

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「巨大なビリヤードのボール」というタイトルの作品。ビリヤードというより、宇宙船か何かに見えますね。
https://goo.gl/s5JvVW

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高圧電線のように見えるこれも作品です。下にいる人たちが上を見上げていますが、近づいてみると、、

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そこには空に向けて書かれたメッセージが。ついにここに、ファティマ第4の予言が明かされる!わけではなく、「ここで芝生に寝転ぶ時、あなたの周りには誰もいない。
風の音だけが聞こえ、あなたは空を見上げる。それは人生で最良のことだ、、」みたいな内容が、書かれています。この単純なメッセージと、アンテナの形をした作品自体が、現代の情報社会への痛烈な批判にもなっているとか。
https://goo.gl/VqnLv5

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ドナルド・ジャッド「無題」
https://goo.gl/Ea3rkV

「箱」アートで世界的に有名なジャッド。三次元は二次元より「本質的で」「具体的」だということを、この作品を通しても表現しています(from 解説)。水平なリングは湖の水面と、斜めのリングはその横になだらかに広がる芝生と、角度が一致しているそうです。小さな女の子が、お父さんに手をひかれてコンクリートの輪の外側を歩いていましたが、あれこそ正しい鑑賞方法。人はその身体を使って、世界と関わらないと。

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あれやこれや、現代アートクイズにも疲れました、、←オイ。最後はのんびりマルシェでも。水曜朝には大聖堂前に市が立ちます。その場で食べられるものもたくさんあるので、お昼は屋台ご飯。

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アートに疲れたと言いつつ、マルシェスタンドのストライプを見れば、前回ご紹介したフランス人アーティスト、ダニエル・ビュランの作品を思い出してしまう現代アート病。ええ、そうです、決して売り子のお姉さんの美しさに惹かれたわけではありません。アートですよ、アート!

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同じくマルシェで売られていた花束。バラにこの白いカモミール(?)を合わせるあたりも、フランスでは見かけない昭和な異国情緒です。二回に渡るアートに触れるドイツ旅、如何だったでしょうか。次回はギリシャからお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

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