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ヨーロッパ写真日和VOL.144『フランスの最も美しい村から』

こんにちは、吉田タイスケです。先日、スコットランドはアイラ島にモルトウィスキーの撮影で訪れたのですが、その帰路で大雪に見舞われ、グラスゴーで2日間足止めされてしまいました。すぐに撮影を入れてなかったので事なきを得ましたが、おそろしや。飛行機も列車も動かないので、バスで数時間、途中の駅まで向かうことに。貴重な経験でした。

所変わって、こちらはパリ近郊の町シャルトル。青いステンドグラスで有名な大聖堂がある町です。古くは9世紀から聖母マリアの聖衣を保存しているとされ、マリア信仰の中心地として栄えてきました。前回のワイン畑の話ではありませんが、宗教的に要所となる場所は、その教会を抜きにしても聖地たる由縁があるように思います。おそらくはキリスト教がこの土地に根付く前から、住んでいる人々にとって大切な場所だったに違いなく。そういう場所は気が澄んでいるので、浄化される感じがします(←どうか滅せられませんように)。

こちらはまた場所が変わってブルゴーニュの中心地、ボーヌの町から。

パリに比べればボーヌは十二分に田舎ですが、現地在住の方曰く「周辺の村と比べて、ボーヌに住んでいる人は気取っている」そうです。その理論でいくと、一番「気取っている」人種は、やはりパリジャン、パリジェンヌなんでしょうか、、、。

さて、ボーヌからパリまでの帰り道。車の窓から高台に城が見えました。なんだか良さげなので、ちょっと寄り道していきます。

民宿「マロニエ」の看板。

シャトーヌフ(新城)という町のシャトーでした。レストランも民宿も閉まっているような季節でも、シャトーは公開されています。せっかくなので、見学していきましょう。

堅牢な壁に囲まれた中庭。

ここは15世紀当時、最後の当主だったカトリーヌ・ド・シャトーヌフさんが夫殺害の罪で火刑となり、後継者が絶えてしまいます。しかし、、ほんとうにカトリーヌさんは夫殺しの犯人だったのでしょうか。事件の匂いがします(←誰ですか?)。

などと考えながらチャペルを覗くと、、葬儀ミサの最中でした(!)。元々中世のお城は「暗い、寒い、こわい」というイメージしかないので(ざっくり)、この人形たちには驚かされます。

城主も眺めたであろう窓から、眼下の町を見渡します。うむ、シモジミンは元気に働いているかな。

城主の主寝室。隣の小さな部屋は、使用人の待機所だったそうです。

暗黒(?)の中世時代を経て、18世紀の装飾が施された部屋へ。パステルグリーンの壁、寄木の床、ロココ調の家具、はい、ここなら住めます(←大丈夫、住むことないから)。日本で一般的に「フランスのお城」と聞いてイメージするのは、ヴェルサイユ城に代表されるロココ調の空間ですよね。

城暮らしを脳内バーチャルで経験した後は、中庭から町を眺めます。

「フランスの最も美しい村」というのは1982年に設立された協会で、現在は約180の村が加盟しています。ここに立ち寄るまで知らなかったのですが、シャトーヌフも「フランスの最も美しい村」のひとつでした。古いプジョーの赤トラックが、いい味を出してますね。

18世紀に建てられた家のファサード。表札には「東の魔法使いとその弟子」と書かれていました(妄想)。

やはり、小さな村には猫でしょう(?)。ペストの時代、黒猫は魔女の使いとして忌み嫌われることもありましたが、一部の伝承では逆に、黒猫は幸運を運んできてくれるとも言われています。写真を撮っていると、「この村に来たら外せない場所があるニャ。ついて来るニャ」と案内してくれました。

というわけで、黒猫に連れてきてもらったのがここです。十字架が置かれた、見晴らしの良い場所。冬の枝が、シルエットになって美しい。花が咲く頃に再訪してみたい、「美しい村」でした。このまま帰りは青空を飛んで行きましょう。

次回はスイスか、ギリシャか、スコットランドか。どうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.144『フランスの最も美しい村から』staff

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