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ヨーロッパ写真日和VOL.145『物語が聴こえる場所、スコットランドはアイラ島へ』

こんにちは、吉田タイスケです。今回はシングルモルトウィスキーの聖地、スコットランドはアイラ島を訪ねます。写真は機内から見た島影。すでに神秘的です。

何もないんですが、寂しくはない。風が似合う、緑の島(強風で大変だった)。

こちらはアメリカン・モニュメントという慰霊碑がある、高台からの眺め。空模様がめまぐるしく変わります。油彩画のようで、いつまで見ていても飽きません。南仏のどこまでも澄んだ青空もいいのですが、重く苦しい中に一条の光が射す北の風景の方が、物語性があるというか、なぜか惹かれてしまいます。

もちろん、撮影では蒸留所をいくつか廻りました。ウィスキーは寝かせる樽によって、身にまとう香りがずいぶん変わります。中でもおすすめなのは、シェリー樽で熟成されたもの。実は今まで樽の違いも知らなかったんですが、使用する樽で味が全く違います。シェリー樽で寝かせたものは琥珀色が深く、スモーキーながら甘みがあって官能的。

どうぞどうぞ、まずは味見をしてみてください。

もうひとつおすすめなのが、生牡蠣+ウィスキー。フランスでは生牡蠣+甘口ワインという組み合わせがあって、それもこの上ないマリアージュなのですが、このウィスキーオイスターもそれに負けず素晴らしい組み合わせ。そして、あっという間に酔っ払うと、、。

こちらはウィスキーを蒸留しているところ。銅のポットとこのサイズが、スチームパンク的な何かを想起させるのです。

さて、美酒美食を堪能した後は、再び島巡りへ。フィンラガン湖畔で食事中の羊達にも挨拶します。写真を撮ろうと近づくと全員走って逃げるので、忍者並みに静かに近寄らねばなりません。

湖に浮かぶ小さな島には、中世時代に権勢を誇った一族にまつわる遺跡が残っています。かつてチャペルだった場所には、朽ちた石壁が残るだけ。周りは静かな湖で、羊の足音と風の声しか聞こえません。

今回の旅で、いちばん印象に残った場所でした。

最後に眺めの良いホテルをご紹介。

Islay House
https://www.islayhouse.co.uk

光さす螺旋階段。17世紀に建てられたマナーハウスはその建築も見所です。

スイートルーム内のベッド。

ネコ脚バスタブ。外は荒涼とした大地ですが、古き良き邸宅に招かれたような気持ちになれるホテルです。執事さんはどこかな?

庭には、「雪の雫」という名前の春を知らせる花が。

生牡蠣&ウィスキーでほろ酔いになったら、邸宅でのんびり滞在。眺望はターナーの風景画を思い出すような、スコットランドはアイラ島からお届けしました。
子供の頃、ウィスキーの香りは「おじさん」のイメージだったのですが、今は樽がどうこう言いながらグラスを傾ける年になったのだなと、しみじみ。ビールもいいのですが、こういう強い蒸留酒を時間をかけて飲むのも贅沢な時間ですね(←回し者ではなく)。
次回の更新もどうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.145『物語が聴こえる場所、スコットランドはアイラ島へ』staff

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