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ヨーロッパ写真日和VOL.184『陰影の美、パリ7区はロダン美術館を訪ねて』

こんにちは、吉田タイスケです。マレ地区で見つけた青空の壁。雲にのったカール・ラガーフェルドが「割といい旅立ちだったでしょ?」とココ・シャネルに話しています。

シャネルの死後、低迷していたブランドをラガーフェルドが手がけることで復活させ、以後その関係は彼が亡くなるまで続いていました。雲の上で話が弾みそうですね。

こちらはロダン美術館前の交差点。パリコレの際はディオールのショー会場として美術館が使用されるので、周辺は多くの人で溢れかえっていますが、今日は穏やか。ロダンが亡くなるまでの10年間、暮らした邸宅が1919年から美術館として公開されています。
前回に続き、今回はこちらの邸宅美術館を訪ねましょう。

パリ7区、ナポレオンが眠るアンヴァリッド隣にあるロダン美術館。遠くにはエッフェル塔も望めます。

入ってすぐ、右手にあるのが「考える人」。ロダンの作品中、最も有名なものですね。元々は「地獄の門」という大作の一部として造られたもので、タイトルも「詩人」というものでしたが、それがいつの間にか「考える人」に、、。

こちらがダンテの神曲に着想を得て、1880年頃から30年以上ロダンが制作に携わった「地獄の門」。世界に7つあり、そのうちの2つは日本に。上野の国立西洋美術館と静岡の県立美術館です。

上段中央に「考える詩人」。周りには地獄に堕ちたくない!という人間の阿鼻叫喚が描かれています。

「これが、世界が終わる時に開くと言われている地獄の門ね〜」と見学者が言っているかどうかはともかく、ロダン美術館に来たら必ず見るべき作品ですが、あいにく逆光の場所に置かれていて、見にくい、、。

門単体では作品は完成せず、両脇に配置された彫刻も「地獄の門」の一部だそう。こちらはイブ。「見ないで、恥ずかしい!今ダイエット中なの!」という感じでしょうか←ロダン先生に謝ってください。

こちらがアダム。ミケランジェロを思わせる、ボリュームたっぷりボディです。

上記のアダムを三体角度違いで組み合わせたもの。門の最上部に配置され、「3つの影」と呼ばれています。三位一体を象徴する「3」に関連した、神曲に通じるモチーフということでしょうか。

邸宅はもちろん、彫刻を見ながら散策ができる広大な庭が、ロダン美術館の魅力のひとつです。

まだ花の季節には少し早かったのですが、6月には画面左手の緑の壁が一面バラで埋め尽くされ、文字どおり彫刻に花を添えます。

ロダンが暮らした邸宅内へ行きましょう。寄木細工の床を始め、室内装飾も含めて作品を見られる贅沢な空間。

美術館内の撮影もOKですし、窓辺に人が座っても構わないあたりがフランスの美術館らしくていいですね。

大きな窓から入る自然光が、彫刻に陰影を添えます。この間ボルドーに新しくできたラリックのホテルを撮影したのですが、ラリックの社長さんが「クリスタルはそこにあたる光の変化で、24時間違う表情を楽しめるところが魅力なんだ」と言っていましたが、同じことが彫刻にも言えると思います。

ギリシャ神話をモチーフに、罪の報いに苦しむ女性を描いた「ダナイード」。うずくまる背中のラインの美しさは、石を彫ったとは信じられません。これも、自然光がその効果をさらに増幅させています。

こちらも立体作品ならではの陰影。やはり彫刻には自然光。

「接吻」。こちらも有名な作品です。正面からしか光が当たらないので、物足りませんが、、←陰影好き。

個人的にロダン作品でいちばん好きなのが、こちら。月の女神、ディアナ。額にもちゃんと月が。悪いヤツは背中に背負った弓矢で退治。元祖セーラームーンですね←見たことありませんが。

自宅のベランダ、、ならぬ美術館二階から眺める庭園。気持ちの良い見晴らしです。右側にはカフェがあります。

邸宅二階に置かれた「瞑想」という作品。欠けた部分はわざとなのでしょうか。世界にいくつか同じタイトルの彫刻があり、腕があるものも存在するので、これはわざと腕をつけていないのかもしれません。ミロのヴィーナスに通じる、神話的な美があります。生命感あふれるロダンの彫刻。

日本にも多くの作品がありますが、作家が暮らした邸宅で作品を見られるのはここだけ。ぜひパリに来た際は、足を運んでみてください。

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