ライフスタイルにプラスになる、ファッショナブルな情報を発信。-abox-

1,061

ヨーロッパ写真日和VOL.196『南仏、コートダジュールはニースの市場から』

南仏はコートダジュール。小石の浜辺からこんにちは、吉田タイスケです。ここはフランス第5の都市、ニース。地中海に面しイタリアとフランスの境に存在する温暖な町は、歴史的にイタリアだった時代の方が長く、文化的にはイタリアに近いそうです。今でも町のそこかしこでイタリア語が聞こえ、イタリア料理レストランもたくさんあります。町の雰囲気が明るいのは、気候のせいだけじゃなさそうですね。

今回案内してくれたフランス人のコーディネイターさん曰く、「ニースの人達をフランス人というよりは、地中海人と言った方がわかりやすい」と言っていました。なるほど、確かに国境だけで考えるより、地中海沿岸をひとまとめにして、地理的に考えた方が共通項が多そうです。

自分も北フランスに住んでいますが、心は地中海人です!←いやいや、逆立ちしても日本人だし。

地中海人は置いておいて、ニースの魅力はまず何と言っても透明な海。地中海は塩分濃度が低く海水がベタつかない上に、ニースは足元が小石なので砂で汚れることもありません。波もほとんどないので、プール気分で入れます。

ただし、裸足だと夏の日中は焼け石の上を歩くが如く熱い&痛い!岩場を歩くような専用のシューズが必要です。なくても気合いで行けなくもないですが、足ツボ板の上をずっと歩くイメージです。だいぶきついです←裸足で歩いた。

カンヌほどスノッブじゃなく、マルセイユほどワイルドじゃない、「ニースなら住んでもいいかも」と思えるちょうどよさがあるんです。今回はそんなちょうどいいニースのマルシェを歩き、町の魅力の一端をお伝えします←すっかりニース好き。

週に6日マルシェが開かれるサレヤ広場。

観光客から地元の人たちまで、多くの人で賑わいます。

主にお土産用ですが、オリーブの樹から作った小皿やまな板があったり。

ラベンダーの小袋も南仏らしく。

こちらも南仏らしいカゴバッグ。お店で刺繍していました。

さまざまなオリーブ。ニース産は小粒のものが多いそうです。

果物の砂糖漬け。正当なレシピは何ヶ月も完成までにかかるそうですが、16世紀にそのレシピを考案したのは南仏生まれのノストラダムス。あの預言者のノストラダムスです。人々の栄養不足を補おうと、医者であるノストラダムスが研究を重ね、その砂糖漬けは当時のフランス王にも献上されたという魔法のお菓子。南仏でぜひお試しください。

甘くてとても丸ごとは食べられません←オイ。当時からご馳走として、ケーキに少しずつ混ぜるなどして使われたそうです。とりあえず、ノストラダムスってすごい。

マルセイユ石鹸からロバのミルク石鹸まで、石鹸いろいろ。

色とりどりの果物。フランス夏の風物詩ですね。我が家も夏はほとんど果物で生きてます。

まだまだ続きます。

新鮮野菜いろいろ。パリよりもだいぶお値打ちです。バカンスでアパートに滞在しながら、マルシェで買い物してラタトウィユを作って、、と妄想中。

プロヴァンス風小皿。陽気な色使いで、見ているこちらも明るい気持ちになりますね。

ニースで採れた無農薬のマルメロ。食べたことがないのですが、基本シロップ漬けなどにするようです。

すぐに食べられるものもあります。老舗のソッカ屋さんが出店を出していました。焼きたてをおじさんがお店と往復しながら運んでくれます。ソッカとはひよこ豆の粉と水、塩とオイルを混ぜてガレットのように焼いたもの。薪オーブンで焼いたソッカは香ばしく、一度食べたらクセになります。結局3日ほど通いました(笑)。

こちらがソッカ。胡椒をかけていただきます。ビールやロゼワインにぴったりですよ。

Chez Theresa
https://www.nicetourisme.com/nice/112451-chez-theresa

この市場を通り抜けると、ニース港。旧市街は歩いて廻れるサイズなのも、「ちょうどいい」ところです。

港のレストランから料理もご紹介。前菜はロブスターサラダ。鮮度も良くて、美味しい。フランスで魚を食べるなら北というイメージがあったんですが、今回ニースで訪ねたレストランはそれぞれ魚、肉、野菜何を食べても美味しく、「ニース=ご飯も美味しい」とますます評価が上がりました。ニース・レストランガイドを作りたいくらいです。

メインはタラのソテー、ジロル茸添え。皮もパリッと焼けていて、魚に厳しい日本人にもお勧めできます。

Bistrot du Port
https://www.facebook.com/pages/category/French-Restaurant/Le-Bistrot-du-Port-498600110176408/

午後は南仏に魅了された画家のひとり、マティスの美術館へ。

エントランスに飾ってある大きな作品は、元々カリフォルニア(かどこか)の大富豪が、自宅の庭に飾るものとしてマティスに発注したもの。すごいですね。

こちらはマティスが、自宅の壁に設置するために作った作品。テーマは海。形態と色、ここに極まれりという感じで躍動感があっていいですね、我が家の壁にも飾りたい。こうなったら切り絵に挑戦するしかない(?)。

マティスは一日にして成らず。初期の頃は、過去の画家たちの作品を模倣したものも多く見られます。

そして形は単純化され、より本質へ迫るような作風へ。色もそういえば、プロヴァンスの自然と建築に呼応していますね。

町に戻って、こちらはニース中心部にある公園。元はバス集積所だったところを市民が楽しめる場所に。時間で強弱がある噴水に、子供たちがはしゃいでいました。

今はパブリックアートにも力を入れているニース。どこを歩いても楽しく、住みたくなる町からお届けしました。南仏がワタシを呼んでいる気がします(←勘違い)。次回の更新もどうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.196『南仏、コートダジュールはニースの市場から』axesedit

関連キーワード

関連記事