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ヨーロッパ写真日和VOL.212『ベルギーの至宝、ヤン・ファン・エイク展を観にゲントへ』

こんにちは、吉田タイスケです。冬のベルギーはゲントから。以前にもブリュッセル風ワッフル発祥の地としてご紹介しましたが、今回は2月からここで催されているヤン・ファン・エイク展を観るために、足を運びました。中世時代はパリについで、西ヨーロッパ第二の人口を誇ったゲント。鐘楼が並ぶ姿に、当時の栄華が偲ばれます。

夏は多くの人で賑わう、聖ニコラス教会裏の芝生。

朝の散歩も気持ち良い、川沿いの街並み。

さて、こちらはゲント美術館。「ヤン・ファン・エイク:視覚の革命展」は4月末までですが、「ヘント(ゲント)の祭壇画」が美術館で観られるということもあり、すでに3月までのチケットがオンラインで売り切れている状況。最近はどこの美術館も予約必須で大変です。ふらりと立ち寄る、ということができなくなりましたね、、。

「ヤン・ファン・エイク:視覚の革命展」
https://vaneyck2020.be/en/

美術館内に入る前に、有名な「ヘントの祭壇画」とは何なのか、何が描かれているのか、ヤン・ファン・エイクはどんな画家だったのか、何がすごいのかをご説明しなくてはいけないと思うのですが、そのあたりはさくっとオランダ・ベルギー政府観光局の下記リンクを参照してください。短くまとめると、ヤン・ファン・エイク兄弟は15世紀の画家で、当時の市長にあたる人物に依頼され祭壇画に着手。その絵画は旧約、新約聖書をテーマにした複雑な構成と、同時代の画家に比肩するものがないほどの卓越した技倆で初期フランドル絵画の最高傑作と言われ、ベルギーの宝とされている、、と。

この写真はオリジナルが展示されている教会にある、説明用のコピーです。こんな感じ(←軽い)で左右に開くように内と外に絵画が描かれ、当時は特別な日にしか内側を公開することはありませんでした。展覧会で展示されているのは内側のアダム&イブと、扉を閉じた際に見える受胎告知などで、他はセント・バーフ大聖堂に展示されています。

https://www.hollandflanders.jp/markt/16045/

では、美術館内へ、、。ちなみに企画展は撮影禁止です。プレス用に許可をもらって撮影しましたが、すでに一般展示が始まっていたため、周りから白い目で見られて撮りづらいです、、(汗)。

「ヘントの祭壇画」の複製画や同時代の画家たちの作品含め、80点ほどが展示されています。

途中、1400-1500年代当時に使われていて、ヤン・ファン・エイクの絵画に描き込まれている生活用品なども展示されていました。

そして目玉はこちら。ベルギーの至宝であり、眺めているだけで聖書の世界に触れ、神の御前に立ち、イエスの献身による魂の救済を我が事として感じられる「ヘントの祭壇画」オリジナル。そのいくつかのパネルを間近で観られること。写真はイブのパネルです。細部描写が細かく、いまにも額から出てきそうなほど立体的に感じます。

アダム(部分)。知恵の実を食べた後の二人が描かれたとされていて、複雑な表情が表している憂いが伝わってくるようです。後悔なのか、戸惑いなのか、これから先の世界に対する怖れなのか、、。

こちらはアダムとイブの裏側にあたり、祭壇画を閉じた際に見られる受胎告知の部分パネル。普段、教会に展示されている時はここまで近くで鑑賞できないので、貴重な機会です。ヤン・ファン・エイクは何と言っても描き込み命!な画家なので。そして、このパネルの中心部に寄ると、、

細部を切り取っても成立するディテール描写。先ほど展示されていた、当時のポットと同じものが描かれています。

こちらも祭壇画外側にある、ヨハネ像。影のつけ方から、立体感を増しています。

企画展では祭壇画ではない、ヤン・ファン・エイクの作品もいくつか展示されています。

皆が覗いていたのは、こちら。聖バルバラを描いたチョーク画。この絵が未完なのかどうかは、未だに議論が続いているそうです。音声ガイドによれば、空の青は後世に塗られたもので、その下が茶色っぽくなっているのは、時間の経過による褪色だということでした。この後ろの二色が、色のない主題をミステリアスに引き立てていますね。

こちらも祭壇画の外側パネルで、「受胎告知」です。

写真では伝わりにくいかも知れませんが、ローブをとめている宝石や天使の髪の毛など細かいところがリアルに描かれていることで、ガブリエルの声まで聞こえてくるような臨場感が立ち上がってきます。

対になっている、お告げを受諾するマリア。えーと、、あんまり美人ではないですね、、、←オイ!!人類の至宝になんてことを。

せっかくなので、駆け足で常設展も見ていきましょう。こちらはフラッシュを焚かなければ、撮影OK。

農家の婚礼を描いた賑やかで楽しい、ブリューゲル絵画。ブリューゲルの作品も何枚か展示されています。

中世から一転、現代アート的な展示室も。画面左のムッシューが覗いている部屋は、、、

書斎、、何かの仕事部屋でしょうか、、。作品名を探したのですが、見つからず。

他、気になった作品をいくつか。19世紀、ジョセフ・パエリンクが神話を元に描いた、従者を引き連れる女神アテネ。輝く女子高生的な、、←女神です!

20世紀の画家、カソラティによる「赤いカーペットの上の女の子(1912)」。好きなもの全部、カーペットに並べてみたんでしょうか。窓から差す光、色使いと構図、何だか惹かれる魅力があります。

17世紀オランダの画家、メルヒオール・ドンデクールが描いた「水辺の鳥たち(1685)」。こちらも絵画に命を感じるような輝きがあって立ち止まったんですが、あとから調べたら「動物画のラファエロ」と呼ばれている人でした。納得。

最後は絵画の世界から戻ってきて、リアルに美味しいビストロをご紹介。

日本ではなかなか食べられない、牛のタルタル。

舌平目のムニエル。ベルギーはフランスに負けず、美食の国というイメージがあります。ゲントはビストロも含めて、セレクトショップなどお洒落なお店も多く、旅先として個人的にはパリよりおすすめです(←あ、、)。次回はヤン・ファン・エイクつながりで、ブルージュからお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.212『ベルギーの至宝、ヤン・ファン・エイク展を観にゲントへ』Takashi -タカシ-