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ニューヨーク・ニューヨークVOL.92『ビーコンズ・クローゼットは宝の山』

(写真:Beacons-Closet-Manhattan-NYC_large_0 by Scott Irvine)

今日は、マディソンです。 
ブルックリンを中心に、おしゃれなヴィンテージ・ファンに大人気のビーコンズ・クローゼットをご紹介します。

マンハッタンで古着というと、ウォール・ストリート近くのセンチュリー21が世界中からの旅行者に知られていますが、近年はソーホーにフラグシップ店を構えているリアルリアルと競い合っている感じです。

リアルリアルは最初、メルカリのようなオンライン販売からスタートしました。
ただ、そのまま再販するのではなく、補修して新品同様で販売することで急成長しているようです。

センチュリー21もリアルリアルも、ハイブランド製品の中古というイメージが強いんですが、それとは対照的に、ヴィンテージの粋でシックなティストの古着ショップとして愛されているのが、今回紹介するビーコンズ・クローゼットなんです。

(写真:Beacons-Closet-Manhattan-NYC_large_3  by Scott Irvine)

マンハッタンの交通は何時も渋滞していますが、その理由の一つに、映画やテレビ番組の撮影が頻繁に行われて道路が封鎖されている、ということがあります。

5番街やマディソン街には、いわゆる頭のてっぺんからつま先までキラキラピカピカのハイブランドでリッチなおしゃれを楽しむ人たちがいますが、映画の登場人物は普通その対極で、普段着でも、何処かセンスの良さを感じさせるスタイルなんですね。

セクス・イン・ザ・シティなどのドラマがあれだけ世界中でうけたのも、ストーリーだけでなく、4人の主人公たちのフ日常ファッションが大きかったように思います。
ドレスアップした時のハイヒールだけでなく、裂けたジーンズや洗いざらしたシャツの格好良さというか…。

そんな、センス一杯のヴィンテージを集めたのがこの、ビーコンズ・クローゼットというわけで、おしゃれなニューヨーカーたちに今大人気です。

(写真:Beacons-Closet-Manhattan-NYC_large_7 by Scott Irvine)

ビーコンズでは古着だけでなく、映画“タイタニック”でに身に着けられていたような、こんなアクセサリーも見つかります。

ヴォーグをはじめとするファッション誌でも、ヴィンテージ特集で必ず高ランク入りしているビーコンズですが、“ハーパーズ・バザー”が読者3人をニューヨーク・コレクションに招待するという企画で、その3人が着ていく洋服を紹介していました。

3人のうち二人は、ハイブランドを中心に4000~8000㌦(42万~85万円ほど)もかけてその日のコーディネートをしてたんですが、最後の一人はビーコンズで買ったザラのブルーのトレンチコートを羽織って、トータル760㌦(8万円)ぐらいで勝負していたんですよ。

そのザラのコートは、ザラで買えば330㌦(3万5千円)ですが、ビーコンズでは100㌦(1万円)程度で、とても洒落た着こなしになっていて驚きました。

(写真:Beacons-Closet-Manhattan-NYC_large_8 by Scott Irvine)

実はニューヨーカー、特にダウンタウンやソーホー、ブルックリンに住む人たちは、マディソン街のキラキラピカピカにはそれほど憧れません。

ハイブランド製品は一品、ヴィンテージ・コーデに合わせる方が、すれ違い様に“お見事!”という感じで憧れるんです。

セクス・イン・ザ・シティのキャリー・ブラッド・ショーも、少しヒッピーがかったドレスに、ハイブランドのジミー・チュウの靴というコーディネートで味を出していましたよね。

(写真:Beacons-Closet-Greenpoint-NYC_large_front _8  Carly Boonpar)

ビーコンズは元々、ブルックリンでスタートしたので、フラグはウィリアムバーグ北のグリーンポートにあり、地下鉄Lトレインのモーガン駅から歩いて行けます。

近年日本の雑誌でも特集が組まれているおしゃれなブルックリンですが、有名なのはLトレイン沿いのウイリアムズバーグと、ウォールストリートに近いダンボ、その両地域に近い場所にビーコンズは1件づつあって、さらに奥深いブルックリンに1件、Lトレインで入ってくるマンハッタンに1件でトータル4件になります。

ブルックリンのヴィンテージ・テイストを大切にしているので、全米展開などはせず、今のところニューヨーク近郊だけ、この地域密着性もビーコンズ人気理由の一つです。

どうですか、このフラグ・グリーンポート店の品揃え。まさに、宝の山といった趣ですね。

数ある古着専門店の中でも、ビーコンズでは35%を持ってきた人に支払うということで、この気前の良さで古着を持ってくる人が元々多かったんですが、コンマリ現象で今では引き取れないほどの製品が押し寄せてきているそうです。

コンマリとはご存知、日本人のお片付けスペシャリストの近藤麻理恵さんを短くした言葉ですが、去年2019年1月にネットフリックスで彼女の番組が放映スタートすると、全米にお片付けブームが巻き起こりました。

ときめかないものは感謝して廃棄するミニマリストが爆発的に増え、所有者がときめかない製品で今やアメリカの中古品販売市場は飽和状態になっています。

コロナ自粛で自宅にこもる人たちが増えたことも、お片付けブームにさらなる拍車をかけているようです。

ビーコンズのショップはもちろん、お片付け以前からありました。

オーナーのキャリー・ピーターソンは1996年に、アリゾナ州から兄弟や友人をつてにブルックリンやってきました。

グリーンポート裏の小さなガレージにすみついたことが発端だそうです。

車の相乗りから始まったウーバー、自宅を民宿にするエアー・ビー・アンド・ビー、最近ではソフトバンク社の孫さんが投資に大失敗したと噂されているシェア・オフィスのウイ・ワークなどなど、シェアリング・エコノミーを代表する企業はたくさんありますが、このビーコンズ・クローゼットも、服や靴、バッグやアクセサリーをシェアするという意味ではシェアリング・エコノミーの一端として成長してきたんだと思います。

ただビーコンズ創業者で代表でもあるピーターソンは、国連が地球環境を守るために提唱しているサステナビリティに敏感で、シェアリング・エコノミーをビジネスとして成長させてきたというよりは、無駄なものを作らない、その為には一人の人が使って要らなくなったものでも、もう一人の人にとってはぜひ使ってみたいものだろう、という観点からこのショップを始めたようです。

4件あるビーコンズのそれぞれのマネージャー兼パートナーは皆女性で、スタッフの人たち全員に、その地域で生活していけるだけの給料を支払い、健康保険も支給、妊娠休暇も、親として休まなければならない場合も有給という厚遇ぶり。

ニューヨークタイムズ紙が調査するマンハッタン近郊の優良ショップのトップ10にも入ってきているほどです。

日本では確かコンマリさんの前に断捨離ブームもあったと思います。

ただビーコンズの品揃えを見ていると目移りがおさえられなくて、なかなかミニマリストにはなれない、そんな思いからなのか、アンチ・コンマリ派もアメリカでは増えてきています。

コンマリさんは何もミニマリストを提唱しているわけではなく、整理整頓を提唱しているだけなので、とんだとばっちりで攻撃されているようにも思えるんですが、彼女に傾倒してモノを少なくしようという人々がそれほどアメリカで増えてきているということなんでしょう。

80年代にエクササイズ動画を作ってエアロビクス・ブームを作った女優ジェーン・フォンダは、今年WWD紙のインタビューで、生きている限りもう二度と新しい服は買わないと宣言して話題になっていました。

猛暑で温暖化が懸念されていますし、国連によれば今回のコロナ・パンデミックも、地球環境破壊で人と動物が近くなり、その結果本来動物が感染する菌に人が悩まされているということだそうです。

サスティナブルであることが大切だとはもちろん思います。
ジェーン・フォンダは今年82歳なので、もうおしゃれはいいということなのかもしれませんが、私たちが生き生きと毎日を生活するためにも、ときめく気持ちは大切だと思うんです。

ハイブランドのバッグをヴィンテージファッションに合わせたコーディネート、芸術的で、かつ主張もあっていいと思いませんか。

ニューヨークに来られたら、是非ビーコンズをのぞいてみてください。
あなたにとっての宝石アイテムに、きっと出会うと思います。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

ニューヨーク・ニューヨークVOL.92『ビーコンズ・クローゼットは宝の山』staff

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