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『話題のNFT、マンハッタンに美術館登場』ニューヨーク・ニューヨークVOL.136

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マディソンです。

今日は去年マンハッタンに登場したばかりの、NFT美術館を訪ねています。オープン当初は世界初として、メディアで報道されていました。

仮想通貨の一つ、イーサリウムを使ったアートとしてスタートしたNFTというのはNon Fungible Tokenという非代替性トークンのことで、ただ今ファッション業界では毎日のようにハイブランドがコレクションをNFT化したと報道されています。


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アートはアートなんですが、非代替性というのはコピーできないもの、世界に一つだけという意味があります。もっとも100ヶ限定で番号をつけて、その番号のそのアートは世界に一つという具合に広げることもできますが。

写真のアートは動画で、2つのポーズを行ったり来たりしています。

実は私がNFTを初めて耳にしたのは去年の3月のこと。ツイッター創業者のジャック・ドーシーが自身の初めてのツイッターをNFT化して、それを2.9ミリオンダラー(3億8,000万円、1ドル131円)で売却したというニュースを聞いたときでした。実態の全くないものをNFT化させただけで、それだけの値打ちがつくなんて!という衝撃を受けたんです。

最近ツイッター買収で話題になったテスラ創業者のイーロンマスクの元恋人で、カナダのポップスターのグライムズも、自身の創った楽曲をNFT化して、5.8ミリオンダラー(7億5,980万円)で売ったことが同じころ話題になっていましたっけ。


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メイン会場の中にはNFTアートが何点か飾られています。私が訪れたこの日は、全部で196点飾られていました。魚の上に乗ったタコが、膨れたフグを風船代わりにしているこのアート、少し日本絵画的だと思いませんか。

面白いのは、ニューヨーク大学のキャンパスで知られているユニオンスクエア駅近くのこのスーパーチーフNFT美術館がオープンした、そのほんの一日後に、北京でもNFT美術館がオープンしたことです。スーパーチーフは世界初をうたっていますが、一日の違いとなると、ここでもまた米中のデジタル競争を感じますね。


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スーパーチーフ美術館で紹介されているのは、新進のNFTアーティストの作品がほとんどなので、価格的には0.1イーサリウムから1.25イーサリウムのものだそうです。イーサリウムは仮想通貨なので価値が毎日変動しますが、今日のレートだと1イーサリウムが1,853ドル(242,743円)ですから、185ドルから2,316ドル。円にして24,235円から303,396円相当というところでしょうか。

美術館オーナーのエド・ジプコによると、去年のオープン時には、一週間で15万ドル(19,650万円)のNFTアートが売買され、そのうち85%がNFTアート業界に還元されたそうです。自身もアーティストのジプコは、このNFTブームを一時的なものとしないで、アート業界を恒常的に発展させるツールの一つにしたいとインタビューに答えていました。


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このNFT美術館は、新進アーティストに力を入れていますが、本来の老舗アートオークションハウスのサザビーズも、ロンドンに置かれているアート・コレクションをすべてNFT化して、本物のアートと連動させることにしたと聞きました。NFT化されたアートの方はディセントラランドというプラットフォームで売買されているそうです。

アートは元々、本物とは別にコピーが出回ってしまったり、特にデジタル化した場合、全く正確にいくらでも再現できるので、その価値をどう永久的に保っていくのかは重要なポイントだったと思います。そんなアートの価値を確保するために、仮想通貨で使われたブロックチェーンという考え方を導入したことが画期的ということなんですね。


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このNFT美術館の仕組みとしては、アートを購入すると、写真のフレームに実際のアートがデジタル投影できるので、それを自宅に持ち帰ることができるようになっています。やっぱりある程度実態がないと、購入しても面白みがないですものね。


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作品だけを見る限り、どれに価値があるのかとても分かりにくいので、美術館のカスタマーサービスを務めているヌラに、どんな風な価値判断になっているのか聞いてみました。

デジタル・アーティストで、ビープルというアート名で有名なマイク・ウィンクルマンの作品には何億円という、かなりの高値がついたそうです。というのも、彼はNFT化アートの世界ではパイオニアの一人だと言われているので。

つまり、パイオニアとして知られているアーティストの作品に価値がつきやすい。アート自体の価値というよりは、誰が作ったかというもののようです。それはでもアナログな絵画の世界でも同じですよね。ゴッホ作、セザンヌ作は高価だというのと同じ感じなのでしょう。


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昨今ファッション業界だけでなく、さまざまな業界で騒がれているNFTなんですが、実はバブルという考え方も若干あるようなんです。

冒頭でご紹介したジャック・ドーシーのツイッターですが、2.9ミリオンダラー(3億7,990万円)での購入者が先々月50ミリオンダラー(65億5,000万円)で売りに出したところ、ついた値段が280ドル!!(36,680円)何と購入時の1万分の1の価値しかつかなかったというんです。そうなると投資としての価値はほとんどなく、NFTはギャンブルではないのかという議論が巻き起こりました。

それでも、連日のようにファッション業界ではコレクションのNFT化が発表されています。2月のファッションウィークの後、3月末に、NFTアートのプラットフォームのディセントラランドでは、世界初のメタバース・ファッションウィークを開催しました。ドルチェ&ガッパーナやトミーヒルフィガーら著名ブランドがたくさん参加して大きくメディアで取り上げられていました。


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NFTアートにたくさん触れた後、外に出ると、近くにはドッグウエアの店があって、何だかホッとしています。メタバースの中の世界だけでは、やはりキツイ感じがしてしまうんですね。ただ世界中でゲーム全盛の今、仮想空間へのファッション参入は避けられない事実のようで、それでコレクションのNFT化が急速に進んでいるということなのでしょう。

さて、如何でしたか。

現実世界の温かさの方が、まだまだ大切だとは思いますが、今後一層メタバースという仮想空間へとたくさんの産業が進出していくと思います。世界初のNFT美術館を訪れてみて感じたんですが、ゲームの世界でのアバターが、ハイファッションを身にまとって、より現実世界の人物に近くなっていく日もきっと近いことでしょう。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

『話題のNFT、マンハッタンに美術館登場』ニューヨーク・ニューヨークVOL.136Takashi -タカシ-

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