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『マンハッタン、ハロウィン間近だけれど…』ニューヨーク・ニューヨークVOL.72

マディソンです。 9月恒例のニューヨーク・ファッションウィークも過ぎて、マンハッタンはハロウィン一色、といいたかったんですが、今年はハロウィン的デコのショーウィンドー、あまり見られません。

この写真は、5番街58丁目にある高級デパート、バーグドーフ・グッドマンのショー・ウィンドーに飾られたジバンシィのドレスですが、回転するドレスのカラフルなフリンジがとても素敵だと思いました。これほどの躍動感は、ランウェイのモデルでも出せませんね。中心のバーが細いこと、それにほぼ180度の回転だからでしょう。ジバンシィ、考えましたね。

今日のミーティング場所は、歴史的遺産にもなっているプラザホテルです。

1907年創業、1985年に行われた世界安定為替合意の、プラザ合意の舞台となったことでも知られていますね。実はプラザホテル、大統領になる前の80年代の一時期、トランプ氏が所有していたこともあるんです。トランプ氏所有時には、彼の最初の奥さまでイヴァンカのお母さんの、イヴァンナが副社長として運営していたと聞いています。

プラザは5つ星の、国賓級のVIPが宿泊するホテルで敷居が高い印象があるんですが、地下のフードコートは入りやすいです。表参道にもオープンした、ルークスロブスターもあります。ロブスターロールと、ニューイングランド式クラムチャウダーがとっても美味しいんですよ。

ホテル入り口には、今日は赤い生花のアレンジメントが飾られています。その上には重々しく煌びやかな大型のシャンデリアが。

いつ来ても歴史の重みが感じられる一方、ここでは2007年頃からアメリカで大ヒットした人気ドラマ“ゴシップ・ガール”の撮影も多々行われていましたね。ドラマは2012年に終わってしまったんですが、高級住宅地のアパー・イーストサイドに住んで名門私立校に通う高校生たちの恋愛劇でした。やはりニューヨークの、こちらはダウンタウンが舞台となった“セックス・アンド・ザ・シティー”同様、今でも根強いファンがいます。

ミーティングを終えてプラザを出ると、通りを挟んだ向かい側にはアップルストアがあります。内装を終えたばかりで、夜は虹色のライトに浮かび上がるのが話題になっています。

アップルストアはニューヨークには何店舗もあるんですが、5番街セントラルパーク近くのこのショップと、グランドセントラル駅内の2店舗が一番知られていますね。iPhone11が発売されたばかりなので、今日は特に混んでいました。

5番街を降りてきて、初めてのハロウィンらしいデコレーション、リンツ・チョコレートです。

“美味しすぎて怖い”というフレーズがいいですね。ハロウィン期間限定のチョコレートも販売していますが、その中には10月初めで既に売り切れてしまっているものもあるそうです。

ロックフェラーセンターのトイスチャー・チョコレートもハロウィンの飾りが施されていました。先ほどのリンツと同じ、こちらもスイス産のチョコレートです。創業は1932年、スイスアルプスの小さな町でスタートしたんだそうですが、シャンパン・トリュフを初めて作ったのがここで、現在その本部はチューリヒ市にあります。

実は10数年前、チューリヒに1年ほど滞在したことがあるんですが、そのお店はチョコレートが買えるだけでなく、カフェにもなっていたので、いつもその甘い香りにつられてホット・チョコレートと絶品のクロワッサンで一休みしていた思い出があります。とっても懐かしいお店です。



トイスチャー・チョコレートでは化学薬品や添加剤、防腐剤を一切使っていないということで、このロックフェラーで売られているチョコレートは空輸で毎週運んできているという話でした。ただ、チューリヒで食べた時の方が美味しく感じたのは、冷たく澄んだ空気のせいもあったのかもしれません。

ロックフェラーセンターから通りを挟んだ向かい側には、高級デパートのサクスフィフスアベニューがあるんですが、ここでもショーウィンドウにはハロウィンはなく、2月に発表されたシャネルの秋冬コレクションでした。発表の頃に、カール・ラガーフィールドがなくなってしまい、遺作となったコレクションですね。

グラン・パレに設置された雪山で披露され、彼の右腕のヴィルジニー ヴィアールが奮闘しました。優し気な雪山での白・黒といった色調が、このショーウィンドウのピンクのような、ビビッドな色彩に終盤変わっていくコレクション。雪山なのに、都会のシャープさも垣間見える、素晴らしいコレクションです。

このショッキングピンクはこの秋冬、シャネルだけでなく他のブランドでも確かに流行っているようで、蛍光色の黄色と並んで街でよく見かけるカラーですね。

流行りの2色。といって、ドレスではないんですが…(笑)

5番街にはナイキと並んで、プーマもフラグシップストアを9月にオープンしたばかりです。5番街の高級デパートの勢いは衰えてきているんですが、ナイキはじめアディダス、ルルレモンといったスポーツ系ブランドが次々と出店してきています。通勤着のカジュアル化で、スニーカーは今や200㌦以上するものがほとんど、ファッション業界では“第二の靴”と呼ばれているくらい靴よりも売れていますからね。

プーマは1948年に創業されていて、世界のサッカー業界では圧倒的に強いアディダスとは深い関係があり、ドイツで靴工場を経営していた兄弟のうち、そのまま家業を継いだほうがアディダス、喧嘩別れで飛び出した方が創業したのがプーマだそうです。

入口を入ると、これぞプーマという巨大スニーカーが飾られています。

アメリカでもインターネット販売が急成長していて、ホームエコノミーという、自室の中で使える製品の購入がますます増ています。まるで世界中が引きこもっていきそうな気配ですが、そうなると部屋からも出たくない人たちを店舗に出向かせるには、ユニークな店舗体験が要るということなんでしょう。5番街のショップは何処も、そんな人々の期待に応えるべく店舗に来ることでそのブランドの世界を体験できる仕掛けを作っていますが、ここプーマではサッカーやバスケットといったゲーム、その上F1のレース体験できるようなブースがしつらえてあるんです。

ホームエコノミ―と並んで盛んに言われてきているのがカスタム化で、先にオープンしたアディダスやナイキ、もちろんこのプーマでも自分だけのカスタムのスニーカーがオーダーできるようになっています。

今回泊まったのはマディソン・スクエア・ガーデン近くのウインダム・ニューヨークというホテルだったんですが、そのロビーに飾られていた生花はハロウィン向きのオレンジでした。

ここから1ブロックのところにあるマディソン・スクエア・ガーデンでは、バスケットの試合ばかりでなく、世界的に著名なアーティストの公演も多々行われてきました。Xジャパンも確かコンサートを行ったことがあるはずです。東海岸を上下するアムトラック・ラインのニューヨーク駅、ペン駅に隣接していてとても便利な場所なので、郊外はもとより他州からも試合やコンサート観戦に来やすくなっているんですよ。

秋の流行色、ピンクに浮かび上がっているのが、マディソン・スクエアー・ガーデンです。こうしてみると、ホテル入り口からとても近く、列車に飛び乗るには最適という立地なのが分かって頂けるでしょう。

さて、如何でしたか。残念ながらハロウィン・デコレーションはチョコレートショップだけでしたが、それでも今月31日のパレードの方はきっと華やかだと思います。マンハッタンのあちこちで行われるハロウィン・パーティも。ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

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