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【プロ直伝!革靴の種類】パンプスやブーツも革靴の一種?特徴や代表ブランド・サイズの選び方を徹底解説

革靴というと靴紐の付いた紳士靴やローファーのイメージがありますが、レザー素材のパンプスやブーツも革靴の一種。その種類はさまざまです。

そこで今回も、靴磨き職人の冨樫輝好さんにインタビュー。パンプスやブーツをはじめとした革靴の種類の特徴や発祥、代表的なブランド、サイズの選び方まで詳しく解説します。

あの有名女優やロックバンドがブームの火付け役となった靴とは!ぜひチェックしてみてくださいね。

パンプス

◎靴の特徴
パンプスとは、トップラインが浅めで紐やベルトなどの留め具が一切ついていない靴の事。「ヒールが高くないとパンプスじゃないのでは?」と、思われる方もいらっしゃいますが、ヒールの高さは関係なく、履き口が広く開いていて留め具がなければ全てパンプスです。

先のとがったポインテッドトゥ、マニッシュな印象を与えるスクエアトゥ、コロンと丸いラウンドトゥ等、豊富なデザインがあります。

◎発祥や由来
パンプスはもともと近代ヨーロッパ(1500~2000)で御者(馬車に乗って馬を操る人)が履いていた靴。馬車のブレーキを何度も踏む動作が井戸の手押しポンプに似ていたことから、パンプスと呼ばれるようになりました。

御者が馬車を制御しやすいように甲部分を広く開けたところ、脚が長く見えると女性の間で流行。中世からあったハイヒールの靴と合わさると、脚長効果は抜群。ちなみにヒールの高さは、7㎝以上がハイヒール、4~6㎝がミドルヒール、3㎝以下がローヒールと言いますよ。

◎履くときの注意点
ソールが薄くつま先が長いデザインのものは、つま先の革が削れやすいので事前にソールにラバーを貼るなどの補強をするのがおすすめです。

デザインがたくさんあるため、履き心地もさまざまですが、レースアップシューズと違いサイズ調整ができないので、しっかりサイズを確認して購入しましょう。

もしもかかとが抜けるのが心配であれば、アンクルストラップなど足首に近い部分にストラップがついているものを選ぶようにすると良いですよ。

◎代表ブランド
・FERRAGAMO(フェラガモ) リボンパンプス
アメリカの大学で解剖学を学んだフェラガモが,痛くならない履きやすい靴を作成するために数百の特許を取り、靴づくりをスタートし大成功させます。帰国後にイタリアで作ったブランドがサルヴァトーレ・フェラガモです。ウェッジソールが有名ですが、大人フェミニンの定番リボンパンプスは、世代を超えて憧れられる名品です。

・Christian Louboutin(クリスチャン・ルブタン) ピンヒールパンプス
パリにある伝統的なキャバレー「クレイジーホース」の様な靴を作りたいと立ち上げたブランド。痛みを伴い「シューズの王様」などと呼ばれることもありますが、デザインや美しさ、セクシーさを優先に作られています。シンプルな曲線が非常に綺麗で、ソールの深紅が生える美しいパンプスです。

バレエシューズ/サブリナシューズ

◎靴の特徴
パンプスのローヒールに分類されるバレエシューズ。バレエの練習用の靴をモチーフにデザインされていたもので、甲の部分にリボンがついているものが定番です。

ちなみに、サブリナシューズとバレエシューズは同じものです。1954年の映画「麗しのサブリナ」でオードーリー・ヘプバーンが履いていたバレエシューズを、役名からとって「サブリナシューズ」と呼んだことから始まっています。

バレエシューズにはシンプルなデザインが多く、パンツにもスカートにもぴったり。柔らかい素材を使用しているものは、カジュアルな服装に良く合います。バレエシューズの柔らかい素材と丸い形は女性の可愛いらしさを引き立たせてくれるデザインです。

◎履くときの注意点
軽く柔らかいためとても履きやすい反面、ソールが薄すぎてクッション性がないものもあります。レザーソールは通気性が良く足なじみが良いが薄め。ラバーソールは滑りづらくレザーソールより厚め。購入前に好みのソールかどうか確認しましょう。

◎代表ブランド
Repetto(レペット)
バレエシューズの代名詞ともいえるフランスのブランド。1947年にダンスシューズを作る小さなアトリエから始まりました。1956年にダンサー兼女優のブリジット・バルドーがダンスシューズと同じくらい履き心地の良い靴をとRepettoにリクエスト。それにこたえる形でダンスシューズの作成の時に使われる技法スティッチアンドリターンを使用したタウン用のバレエシューズが誕生しました。ブリジット・バルドーが主演の「素直な悪女」という映画の中でも着用されたため大きな人気を集めています。

オペラシューズ

◎靴の特徴
リボンなどの装飾がない、シンプルなものが多いオペラシューズ。甲部分がしっかりと覆われているため、ホールド感があり歩きやすいのが特徴です。パンプスよりもかっちりした印象があり、パンツスタイルに合わせてマニッシュにまとめるのがおすすめです。

◎発祥や由来
紳士用の礼装用の靴であるオペラパンプスがモチーフ。元になったオペラパンプスは19世紀中頃からオペラ観劇や舞踏会、晩餐会の際に履かれるようになった靴で、靴墨が無くても光沢のあるサテンやエナメル素材でられていました。甲にシルクのリボンがついているのも特徴的です。

ちなみに靴墨を使わなくても良い素材を使用するのは、同伴するご婦人の長いドレスの裾を汚さないようにという紳士の気遣いだったとか。

ヒールブーツ

ヒールに高さのあるブーツを総称しヒールブーツと呼びます。ヒールブーツと一口に言っても、ウェスタンブーツ、サイドゴアブーツ (チェルシーブーツ)、サイドジップブーツ、ハーネスブーツやジョッパーブーツなど、そのスタイルはさまざまなので、種類別に詳しくご紹介します!

サイドゴアブーツ/チェルシーブーツ


レディース

メンズ

◎靴の特徴
サイドゴアブーツとはその名の通り、足の内外双方のくるぶしの周辺にゴア(マチ)が施されたアンクルからショート丈のブーツのこと。マチにはゴムを織り込んだ伸縮性のある生地が使われており、靴紐やストラップ・バックルの代わりに足をホールドします。

◎発祥や由来
1830年代中盤にロンドンの靴屋が、当時即位したばかりのヴィクトリア女王のために、脱ぎ履きが容易でフィット感あるブーツを作ろうと考案。王配であるアルバート公は、着脱が簡単でフィット感が良いサイドゴアブーツを気に入り、イギリス議会への登院時などに着用しました。

王室から生まれたサイドゴアブーツは、1840年代後半から徐々に普及。幕末には日本にも渡来し、あの坂本龍馬が履いていた「長靴」も、サイドゴアブーツだったといわれています。明治時代から第二次世界大戦前まで礼装用などに履かれることもあり、昭和天皇も愛用していたそうです。

1960年代にビートルズやローリングストーンズなどのスターが愛用し始めたため、大ムーブメントを象徴するアイテムのひとつとなりました。サイドゴアブーツはムーブメントの中心地である英国チェルシーから名前をとり、今でも「チェルシーブーツ」という別名で呼ばれます。

◎代表ブランド
CROCKETT & JONES(クロケット&ジョーンズ)
クロケット&ジョーンズは、1879年に英国靴の聖地と呼ばれるイギリス・ノーザンプトンで誕生したブランド。伝統的な職人の高い技術を用いて、長きにわたり美しさと機能性を兼ね備えた多くのシューズを生み出しています。スマートで品のあるサイドゴアブーツ「CHELSEA(チェルシー)」が代表的です。

チャッカブーツ

◎靴の特徴
2~3組の紐穴を持ち、つま先革と腰革の2パーツで構成されたくるぶし丈のブーツ。元々スポーツ由来のため、レザー素材を使用したプレーンなデザインですがフォーマル過ぎず、カジュアルなファッションにも合わせやすいのが特徴です。

◎発祥や由来
諸説ありますが、ポロ競技の時間の単位「チャッカ」からつけられたという説が有力だそうです。ポロ選手が試合後に履いていたカジュアルなブーツが現在のチャッカブーツというわけです。

◎代表ブランド
・CROCKETT & JONES(クロケット&ジョーンズ)
50年以上のロングセラーを誇るモデル「ラスト224」が有名です。フォーマルとカジュアルを併せ持つ、まさにチャッカブーツ。

・ALDEN(オールデン)
シェルコードバンの風合いと、コバの張ったソール周りがカジュアルに合わせやすいのが特徴です。

ムートンブーツ

◎靴の特徴
ムートン(羊革)を使用したブーツのことで、内側に羊毛を使用しているため、とても柔らかく暖かいです。シープスキンブーツと呼ばれることもあります。ムートンがフランス語、シープスキンが英語ですよ。

◎発祥や由来
オーストラリアの羊の毛刈り職人が無造作に羊の毛皮を足に巻きつけたことから、「Ugly(=不格好な) Boots」として呼ばれ始めました。
1920年代に誕生し、1930年代にはオーストラリア軍のパイロットが上空で体温を保つために採用されました。1960年代頃オーストラリアのスイマーやサーファーの間で履かれるようになり、1970年代にアメリカに広がったことで爆発的なブームが起きます。

◎履くときの注意点
ムートンは柔らかく履き心地は抜群ですが、水を吸いやすいものが多いです。水に濡れると染みの原因にもなるので、雪の日や雨の日はしっかりと防水スプレーで対策をしてから履くようにしましょう。

◎代表ブランド
UGG(アグ)
1978年にオーストラリア人サーファー、ブライアン・スミス氏によってシープスキンブーツがアメリカに持ち込まれたことがはじまりです。ブランドの名前は「Ugly(=不格好な) Boots」をオーストラリア人がスラングとして「UGG」と呼んでいたことに由来するとか。まさにムートンブーツを代表するブランドです。

男女問わずハマる革靴の魅力でファッションを楽しんで

今回は靴磨き職人の冨樫輝好さんを取材して、パンプスやブーツをはじめとした革靴の種類についてご解説いただきました。紳士靴のイメージがあった革靴ですが、パンプスやブーツなどの起源やレザーの魅力を聞くと、女性でも革靴が身近に感じます。

ぜひこの記事で詳しい特徴を知り、サイズ選びやコーデ選びの参考にもしてみてくださいね。

教えてくれたのは靴磨き職人・冨樫輝好さん

靴修理工房「GMT FACTORY」の店長。シューケアを担当し、汚れ落としや保革、キズの修復などを各種の革で行う。個人でもイベント、出張磨き、ワークショップ等幅広く活動中。

Instagramはこちら
https://www.instagram.com/tomigaki_gmtfctr/

▼GMT FACTORYとは?

靴・服・鞄や革小物、ファッションアイテムのリペア・リメイクを行う。代々木上原に本社を構え、靴の輸入・卸売り事業を展開。靴を履く人の気持ちを考えて自社で商品の開発も行っている。

HPはこちら
http://www.gmtfactory.com/

冨樫さん監修!化粧品ブランドコラボのレザーケア乳液

冨樫さんが監修し、化粧品メーカー「Earth∞You (アースアンドユー)」と、日本最古の靴クリームメーカーの「ライオン靴クリーム」と共同でレザー用ケア乳液を開発。その名も「Leather Cosmetics」です。

97%天然由来の成分でできており、捨てられてしまう予定の資源を再利用するなど、革にも環境にもやさしいエシカルなアイテム。革靴だけでなく、バッグやお財布など幅広い用途で使用可能なローションタイプ。布に染み込ませ、やさしく拭き取るだけでお手入れが完結します。香りも◎

▼Leather Cosmetics レザー用ケア乳液の購入はこちら
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