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ヨーロッパ写真日和VOL.130『ミディ・ピレネー地方、巡礼と美食の村コンクを訪ねて』

こんにちは、吉田タイスケです。ロット川の断崖に沿って階段上に並ぶ、おとぎ話に出てきそうな家々。背景が青空じゃないのが残念。2016年度のフランス観光協会ポスターにも使われた、サン・シール・ラポピーという村です。

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「フランスで最も美しい村」にも選ばれている、ラポピー村。確かに見た目も名前も可愛いのですが、自分にはいまいちピンときませんでした(←あっ)。テーマパークみたいとうか、魂が入っていないというか、、(観光協会の方、全力ですいません)。いや、でも可愛いんですよ、ほんとに。

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というわけで、ラポピー村は2枚で終わり。そこから車で東に1時間半、コンクという巡礼の村へと向かいます。牛さん、こんにちは。

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あっという間にコンク到着。車でカーブを下がっていくと急に視界が開け、緑に囲まれた村が見えてきます。

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世界遺産があるとか、美しい村に指定されているとか、そういう情報はもちろん訪ねる参考にはなりますが、その村を好きになるのはスペックじゃないですよね。コンクはそういう謳い文句を抜きにして、歩いていて気持ちの良い場所です。いい「気」が流れているというか(←再びざっくり)。

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ただ、そう思うのは自分だけではないようです。この村はサンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼路の要所なのですが、その昔巡礼路を歩いたという人たちに話を聞くと、途中で訪ねた数ある村の中で、コンクがいちばん良かったと周りの巡礼者が口を揃えて言うのだそうです。やっぱりねえ。

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石造りの村。人口は300人にも満たないほど。

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めぼしいお土産屋さんはありません。こちらはクルミとオリーブオイルの店。店主のおばあちゃんがこの日は来られなくて、隣の店の人が行ったり来たりで店番をしていました。ゆるいよ、コンク!

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コンクで世界遺産に指定されている修道院とその宝物殿も信仰オーラ半端なく、歴史的にも必見の要素なのですが、それは置いておいて、自分がコンクをいちばん気に入った要素である、川沿いの隠れ家的ホテルレストランを最後にご紹介。

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何が気に入ったって、もちろんこの環境と食事です。向こう岸からハーブを摘んで戻ってくるのは、シェフのエルヴェ・ビュッセさん。

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彼の料理はまずハーブありきで、それに合わせる食材を考えて組み立てるものだとか。植物学者と組んで、食べられる野草かどうかを確認しながら、料理を作っているのだそうです。

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ニンジンのクレームブリュレ仕立て。それぞれ違うハーブと食べることで、一口ごとに風味が変わります。レストランは2007年からミシュラン一つ星。あまり日本では紹介されていない(と思う)ので、これを機にどこかに掲載できないかなと、本気で計画中。

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仔牛のロースト。こちらも意外な風味があったような、、←思い出せないらしい。

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ともあれ野草レストラン含め、ここはプライベートで必ず戻ってきたい場所のひとつになりました。ミディ・ピレネー地方にお立ち寄りの際は、ぜひコンクを訪ねてみてください(←ラポピー置いてきぼり?)。次回は世界遺産の町、画家ロートレックが生まれた場所としても知られるアルビをご紹介します。どうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.130『ミディ・ピレネー地方、巡礼と美食の村コンクを訪ねて』staff

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