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『オーストリア・ウィーン紀行。待ち合わせはアルベルティーナ美術館のテラスで。』ヨーロッパ写真日和VOL.206

こんにちは、吉田タイスケです。丸窓から覗く風景は、シュテファン大聖堂のモザイク屋根。今回は芸術の都、オーストリアはウィーンからお届けします。

パリからウィーンに着くと、早速機内にはヨハン・シュトラウスのワルツが。毎日が舞踏会の町へようこそ。ちなみに、この丸窓はウィーン中心部にあるホテル・ラメーのジュニア・スイートルームから。

落ち着いた色調でまとめられた、ホテルフロント。

オリエンタル急行をイメージしたというリュクスな部屋は、出かけずにここでのんびりしようかと思う居心地の良さでした←せっかくの旅行ですよ!

丸窓ならぬ、テラスからシュテファン大聖堂が望める部屋も。

しかも、屋上にはルーフトップバーもあります。ウィーンの夜景を独り占めできる特等席。

ルーフトップから眺める、月夜とライトアップされたシュテファン大聖堂。いやあ、充実した滞在でした←ウィーン編終わったよ。

ホテル・ラメー
https://www.hotellamee.com/en/

ラララ、まだまだ終わらないのさ♫と歌うは、王宮庭園のモーツァルト像。

馬車に乗りながら、次の目的地へ参りましょう。ウィーンほど、馬車が似合う街を知りません。

ウィーンの魅力はたくさんあります。音楽家聖地巡礼、美術館、カフェ巡り、カツレツ&オペラ三昧等々。そして観光で回りたい場所の大部分が、リンクと呼ばれる元城壁だった環状道路内、旧市街に収まっているのが有難いんです。

頑張れば、歩いて回れる旧市街。今回はその中から、デューラー展が話題のアルベルティーナ美術館をご紹介します。ウィーンの美術館といえば、筆頭に上がるのはラファエロ、フェルメール、ブリューゲルを擁する美術史美術館ですが、今回初めてアルベルティーナを訪ねて、すっかり気に入ってしまいました。その理由とは、、。

まず、テラスが気持ちいい(←いや、美術を見に来たんだよね?)。晴天のデートなら、ここを待ち合わせとすべきでしょう。正面に座するウィーン国立歌劇場の眺めも良く、また、言ってみれば繁華街の中心にある美術館なので、買い物帰りなどに気軽に立ち寄れる立地もポイント高いんです。

テラスからの眺めは、夜景もおすすめ。美術館カフェもテラスに面していて、美術館に入らずとも利用できます。

さて、館内へ入りましょう。企画展で一番人を集めていたのが、ドイツルネサンス期の「神のごとき」画家、アルブレヒト・デューラーの「野うさぎ」。

1502年に描かれた、世界で最も知名度の高いうさぎと言われている「野うさぎ」。水彩ですが、絵画とは思えない存在感です。保存上の理由から数年に一度しか公開されないこの名作を一目見ようと、人が集まっていました。

「青いローラー・カナリアの翼(1512)」デューラー展のポスターにもなっていた絵。こちらも圧倒される細部描写。

「ドクロのある紋章(1503)」、版画もたくさん展示されていましたが、どれも人間業とは思えない緻密さ。時代も人間も超えてしまったようなデューラーの絵画は、確かに「凄い」の一言ですが、自分がそれ以上に印象に残ったのはアルベルティーナ美術館の常設展でした。

というわけで、常設展へ移動。今回同行していた、あるライターさんが別な日にアルベルティーナ美術館を訪ねていて、「如何でしたか」と尋ねたら「もうね、常設展全部良かったんです、全部。素晴らしかった〜」というざっくり感想をいただいていました。「全部良かった」ってことはないよねえ、、と思って実際に足を運んだら、これが全部良いんですよ、全部!←オイ。

何が良いかと言うと、同時代で最も偉大なアートコレクターの一人と称される、ハーバート・バトリナーのコレクションがそのまま、常設展となっているところ。

バトリナーさん、惜しまれながら2019年6月にこの世を旅立ってしまいましたが、この美術館に来る人は誰も、彼の目利きの恩恵をそのまま受けられるところが素晴らしいと思えるほど、珠玉のコレクションなんです。写真はヴラマンクの「果物のある静物画(1905)」。活き活きとした色彩が、額から溢れてくるよう。

モディリアーニ「娼婦(1918)」。

ムンク「マドンナ(1895-1902)」。左下はムンク自身(?)かと思いましたが、胎児という解釈が一般的なようです。こわいよムンク。

マルク・シャガール「偉大なサーカス(1970)」。サーカスは、シャガールが描く夢幻の世界そのものですね。

常設展のテーマは「モネからピカソ」ですが、中でもピカソは印象に残りました。写真は「バカナルと雄牛(1959)」。青空の下で踊る人たち。明るい色調、デフォルメされたフォルムから喜びと躍動感が伝わってきます。

ピカソ「ランプの下の静物画(1962)」。少ない色で構成された力強さ、リズムと線の動き、80歳を超えての作品とは思えない何というか、生命の輝きがありました。一枚買えるならこれかなと←何様。

他にも名作揃いの常設展を、どうぞお見逃しなく。

また、元々ハプスブルク家のプライベートな宮殿だったこの美術館では、往時を偲ぶ邸宅の居室を見学できます。

ディティールにも宮廷生活。

「ミューズの広間」。ここでコンサートや舞踏会などが催されたのでしょうか。市街地中心部にあり、気持ちのよいテラスが併設され、ちょうど良い規模で珠玉のコレクションが堪能できて、宮殿見学もついてくる(?)。一粒で何度も美味しい的なアルベルティーナ美術館をご紹介しました。次回もウィーンからお届けします。どうぞお楽しみに。

アルベルティーナ美術館
https://www.albertina.at/lang/ja/

『オーストリア・ウィーン紀行。待ち合わせはアルベルティーナ美術館のテラスで。』ヨーロッパ写真日和VOL.206axesedit

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