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『ベルギーはブルージュを巡る、アート旅』ヨーロッパ写真日和VOL.213

ベルギーはゲントの朝焼けからこんにちは、吉田タイスケです。今回は前回に引き続き、画家ヤン・ファン・エイクに縁がある場所を巡りながら、絵葉書の町ブルージュをご紹介します。

レンガ造りが美しいヘント・シント・ピータース駅からブルージュまで、列車で30分。鉄道の移動は、何だか飛行機より旅情がありますね。

朝靄にけぶるホームにて。

ブルージュに到着です。お菓子の缶のような建物が並ぶ、マルクト広場から。

聖ヨハネ施療院で見つけた、青空に浮かぶ月。先端には小人が座っていました。

ブルージュに来たら、この聖ヨハネ施療院とベギン会修道院だけは訪れた方が良いです。どこを切り取っても絵になる世界遺産。

さて、今回はブルージュの美術館と博物館をひとつずつご紹介します。まずは中世の生活を身近に感じられるグルートフーズ博物館へ。

グルートフーズ博物館
https://www.museabrugge.be/en

当時使用されていたタンスやタペストリー、食器、洋服などが展示されていて、ヤン・ファン・エイクが生きた時代を思いながら見学します。タンスが重そう、、。

展示物だけではなく、窓から差してくる光も含め、床や扉などのインテリアも見応え十分。

当時使われていたレースなども。

そして圧巻はこちら。隣接した教会へ通じている一族だけの専用礼拝堂。教会への多くの寄進により可能になったとか、、。特別扱いがすごいですね。

こうして、特等席ボックスからミサに参加していたと、、。

この邸宅博物館にはテラスがあり、そこからの見晴らしも楽しめます。苦しゅうない。

屋根裏部屋の窓からの眺め。500年前も、教会の鐘楼が見えていたでしょうか。

当時、ブルージュに家を持っていたヤン・ファン・エイク。銅像が川沿いに建てられています。

そのすぐ近くにあるカフェ・レストラン「BLACK BIRD」。

BLACK BIRD
https://www.blackbird-bruges.com/

内装が、そのままインテリアの参考になりそうですね。

鳥かごシャンデリアや、造花アレンジで華やかに。

食事は環境に優しくヘルシー指向。ベジタリアンメニューが主体となっています。写真は山羊のチーズのタルティーヌ。

一休みしたら、次の美術館へと歩きましょう。

こちらはグルーニング美術館。お目当てはヤン・ファン・エイクが描いた「ファン・デル・パーレの聖母子」です。

もちろん、ブルージュにゆかりのあるフランドル派の画家など、他の作品も多数ありますが、今回ご紹介したかったのはこちら。右に跪いているのが、この絵画製作を依頼した聖職者、ファン・デル・パーレ。ゲントで催されている企画展は長蛇の列&混雑でゆっくりと絵画鑑賞もままなりませんが、この美術館なら薄いガラスは入っているものの、かなり絵の近くでゆっくり細部を鑑賞できます。自分が訪ねた時も、閉館間際だったこともありますが、他の鑑賞者はいませんでした。

人間の背丈ほどもありそうなサイズの絵ですが、細部は非常に緻密に描き込まれています。

絨毯のほつれ毛まで描かれていて、素材感が伝わってきます。

柱の装飾部分、後ろの窓ガラス、、、ディテールを作り込んだ先に聖母がリアリティを持って眼前に立ち上がるわけですが、、19世紀に至るまで数百年も、この絵は存在を忘れられていたそうです。時代で評価は変わりますね。ともあれ、絵画と自分だけで対話ができるほど、贅沢な時間が過ごせるグルーニング美術館はおすすめです。

グルーニング美術館
https://www.visitbruges.be/en/groeningemuseum-groeninge-museum

夕暮れ色の光の中、聖ヨハネ施療院の中庭を通って駅に向かいます。何だか、どこかの大学構内みたいですね。前回に続き、ヤン・ファン・エイクゆかりのベルギーからお届けしました。次回もどうぞお楽しみに。

『ベルギーはブルージュを巡る、アート旅』ヨーロッパ写真日和VOL.213Takashi -タカシ-

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