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ヨーロッパ写真日和VOL.219『外出禁止令下のフランス、ノルマンディー地方の小さな町から』

こんにちは、吉田タイスケです。近所の交差点に咲く八重桜。カメラを構えている間に一組だけ老夫婦がしばらくベンチに座っていましたが、他に誰かと会うことはありませんでした。

3月17日からフランス全土に外出禁止令が施行され、このブログを書いている時点ではすでに一ヶ月が過ぎています。今のところ暫定的に5月11日までとなっていますが、レストランなど人が集まりやすい場所は、その時点でもまだ再開の予定はありません。

自宅からすぐの、セーヌ川沿いの散歩道。外出禁止令中の現在、今回はわが町を撮ろうと電動キックボードで出かけたところ、3分後にはパトカーに止められてしまいました。外出禁止とは言っても、生活必需品の買い物や、健康のための運動は認められています。

ただフランスではその運動も一日一回、1km圏内、1時間以内と細かく決められ、自分でプリントして持ち歩く「移動証明書」には出かける時間も記載しなくてはいけません。止められた理由は「電動キックボードがダメ」というものでした。徒歩はいいけど、自転車やキックボードはダメだと。次回からは135ユーロ(約16200円)の罰金ですよと言われ、一旦戻ることに、、。

改めて、今度は徒歩で外出しました。罰金に負けずに撮るぞ!(←何と戦ってる)。いわゆる「ソーシャル・ディスタンス」を守って、肉屋の前で話す人たち。ここの肉屋さんのスペシャリテはモン・サンミッシェル周辺の仔羊。海風で塩分を含んだ草を食べて育つので、肉に最初から塩味があると言われていますが、どうでしょうか。今度試してみます。

去年、長年住んだパリを離れて、ノルマンディー地方のヴェルノンという小さな町に引っ越してきました。離れて、と言っても片道1時間の距離なので、そこまで離れていませんが(仕事の関係上)。モネの庭で有名なジヴェルニーが隣町です。正面に見えるのは、15世紀に作られたファサードが残るノートル・ダム教会。

青空に浮かぶCORDONNERIE(製靴業)の看板。コルドンヌリーというのは、直訳すると「製靴業」ですが、現在は靴は売っていないし、靴の修理と合鍵製作(なぜか)を請け負う場所になっています。フランスに来た当初は「合鍵屋さん」と思ってました。

食品に関係する店は開いていますが、カフェ、服飾、時計、旅行代理店など、生活に必須ではないもの(異論はありますが)は全て休業しています。

ノルマンディー地方でよく見られる「コロンバージュ(木骨造)」。そもそもは、建物の強度を確保するものでしたが、その後装飾的に使われるようになりました。初めてノルマンディー地方に来た時に、「何だか絵本の中というか、お菓子の家みたいだ!」と思ったことを、よく覚えています。

「プレ・ロティ(鶏のロースト)」、肉屋の店頭では、この自宅待機生活の間もロースターが廻っています。フランス人のお袋の味とも言える、週末に食べるポピュラーな料理のひとつです。

外に出られなくても、テラスがある。陽光が差すと、皆さん窓辺でくつろいでいます。パリで行われている夜8時の拍手(医療関係者に向けて)や、イタリアのように歌ったり楽器を弾く人もおらず、この小さな町では静かに時間が流れています。

パン屋ももちろん生活必需。店内に入れる人数が決まっていて、外で間隔を開けて順番を待ちます。パンで思い出したんですが、どこのスーパーに行っても小麦粉がないんです。トイレットペーパーは余っていても、小麦粉が売り切れ。自宅でパンやパスタを作るのでしょうか。フランス人にとって、小麦粉はお米のように欠かせないものなんですね。

PALAIS DE LA NOUVEAUTE(新しいものの殿堂)と宣伝が描かれた古い壁。今は街の景観を彩るロゴのひとつとなっています。

こちらは市役所の入り口。コロナウィルスの影響で、ここも閉まっています。「出生届」「死亡届」「認知届(事実婚カップルの子供の出生届)」しか、今は受け付けないという張り紙です。

再び教会へ。扉が開いていたので、中に入ってみます。

中ではイースター(復活祭)のミサを準備しているようでした。教会は光がどう入って見る人に届くのか、計算されてステンドグラスが配置されています。こうしてみると、祈りと悲しみが満ちているようで胸が詰まります。

手作りのはちみつを販売する、家の前にかけられた可愛い看板。

街でいちばんと思える藤が、門前に咲く御宅の前を通ってみます。新興住宅地、お屋敷街、古くからある住宅地、商業エリアと町全体をいくつかに分類することができます。自分が住んでいるのは古民家的な、古くからある住宅地の一角です。この写真は「お屋敷街」。

コロナ禍で雑誌等の旅撮影がなくなってからというもの、身近な植物ばかり撮影しています。

さて、橋を渡ってみます。対岸も町の一部です。

この対岸側の隣町がジヴェルニーで、川沿いの道はサイクリングロードとして早くから整備されていました。今度自転車でお弁当を持ってピクニックしに来たいですが、今はそれもできないとは、、。

こちらも対岸の風景。第二次世界対戦でイギリス軍が落とした爆弾によって橋が落ちたと説明書きにはありました。当時から存在する粉挽き小屋は、ヴェルノンを象徴する歴史的モニュメントとしていつも紹介されています。

一瞬の光の動きをキャンバスに捉えようと自然を見つめ続けたモネは、夜明けに刻々と移り変わるセーヌ川の水面を描きに来ていました。自分はと言えば、未だに早起きできていません←失格。

ジヴェルニーへと続く、サイクリングロード。ここも含めてパリから海まで、サイクリングロードを整備しようという計画があります。200kmくらいあるんですが、、。早くまた、のんびり自転車に乗ったり、芝生でくつろぐ日常が戻ってくるといいですね。

自分が暮らすノルマンディー地方からお届けしました。次回からは今のフランスの状況をお伝えしつつ、写真の中で旅をする内容をお届けするつもりです。どうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.219『外出禁止令下のフランス、ノルマンディー地方の小さな町から』Takashi -タカシ-

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