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ヨーロッパ写真日和VOL.35『春のヴェネチア』

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こんにちは、吉田タイスケです。
今年もあちこち出張に行く予定で、今決まっているだけでもインド、ブラジル、イタリア、ポルトガル、、、とラテンアメリカから南アジア、ヨーロッパを廻る予定です。 もうヨーロッパだけの写真日和ではなくなりそうですが、その辺りはご容赦を。

さて今回もパリからと思いましたが、重い冬空を飛び越えて、ちょっとだけ春を先取りしましょう。JALカード会員誌「AGORA」1、2月号の撮影で訪れたイタリアから、ヴェネチアをご案内します。

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誰もいない、朝のサンマルコ広場。

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こちらはサンマルコ広場にあるムーア人の時計塔からの眺め。事前予約が必要ですが、誰でも時計塔に登ることができます。

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正午になると二体のブロンズ像が鐘を鳴らします。500年以上、こうしてサンマルコ広場を見守ってきた二人のムーア人。 なぜ鐘を鳴らすのがムーア人についてかは、ガイドさんに説明を受けたのですが、確か中世のヴェネチア共和国では、ムーア人達が大切な労働力だったとかなんとかゴニョゴニョ、、、。

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ムーア人の謎はひとまず置いておいて、こちらはアゴラに掲載された活版印刷職人、ジャンニ・バッソさんのお店です。

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こんな風に活字を一文字ずつ並べて版を作り、それを固定してインクを塗って印刷すると、、。 今やほぼ絶滅してしまった活版印刷ですが、ジャンニさんの工房では、古いものは19世紀の機械も現役で動いています。

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バッソさんが自らデザインし、活字や図版を組み合わせて手刷りで仕上げる名刺や蔵書票は、口コミで世界に知られるところとなり、ヒュー・グラントや、アンジョリーナ・ジョリー、 坂本龍一などの名刺がウィンドウには飾られていました。そのうち吉田タイスケも、、(ないない)。 昔ながらの技法で作るエレガントな名刺もいいですね。

Gianni Basso Stampatore
Cannaregio, F.Nove, Calle del Fumo, 5306, Venezia

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さて、名刺を作ったら船に乗って、トルチェッロ島というヴェネチア発祥の島へ向かいます。

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Locanda Cipriani

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ヘミングウェイが常宿としていたロカンダ・チプリアーニのレストランで、プロセッコを飲みながらアスパラを食べるのが春の楽しみです←と一度しか行ったことない人が言っています。 緑のアーチの中、木漏れ日の中で食べるランチはヴェネチア本島からここまで来る価値がありますよ。島巡りはどこものんびりできてオススメです。

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ヴェネチアには車が走っていません。移動は全て船なので、人が多くても自然といつもの喧噪とは違う世界に身を置くことができます。 町全体が世界遺産で、美しい路地と運河に迷うこともできるし、美術館や教会を巡ってイタリアン・ルネッサンスに浸るのもいい。 バーカロと呼ばれる居酒屋で白ワインと魚貝のフリットを食べているだけでも幸せになれる町。 昔から沈む沈むと言われていますが、このままのペース(100年で20cm)だと、少なくともあと数百年は問題はないでしょう(希望)。 それに、こんな風に考えるのはヴェネチアに住んでいる人に申し訳ないんですけど、いつかこの町全体が沈んでしまうかもと想像するのは、散るからこそ美しい桜を眺めているような、そんな気分にもなります。

撮影で訪ねたヴェネチアからお届けしました。次回もどうぞお楽しみに。

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