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『マンハッタン、ミートパッキング地区にHermes(エルメス)登場』ニューヨーク・ニューヨークVOL.61

こんにちは、マディソンです。 春ですね。
写真は、4月初めにマンハッタンのミートパッキング地区にオープンしたエルメスの外観です。ソーホーから西のミートパッキング地区には、近年ソーホーと並んでハイブランドが次々オープンしてきています。(写真:エルメス)

そして遂に今回エルメスも登場しました。

ミートパッキング地区には、観光客にも人気のチェルシー・マーケット南あたりから入ってくるんですが、チェルシー・マーケットの通りを挟んで向い側にはグーグルが見えますね。

ミートパッキングというからには、そうなんです、元々は精肉を加工処理して詰める精肉加工工場がたくさんあった地区なんですね。とはいえ、西側に位置するこの地区はマンハッタンの中でも交通の便があまりよくなくて、倉庫街だったこともあり、どちらかというと長年さびれた地域でした。

数年前からおしゃれなレストランやクラブができ始め、個人でも倉庫街から業務用エレベーターで上がった上階に広々と住む人たちが増えてきて、現在ソーホーと並んで、マンハッタンでは一番おしゃれでホットな地区となっています。

ミートパッキング地区に入ってすぐには、スターバックスの新コンセプトショップ、スターバックス・リザーブ・ロースタリ―があります。2014年にシアトル発でスタートしたこのショップには焙煎機が併設されていて、従来のスタバと違って高い天井で広々と、しかもインダストリアルなスペースになっていますね。

リザーブという名の通り、セレクトした稀でユニークなコーヒーが飲める場所のようです。これまでのスタバがカジュアルにコーヒーを楽しんだり、ちょこっと寄って談笑したりする場所だったのに対して、ここは本格的なコーヒー好きが、心からコーヒーに浸る場所、といった趣ですね。

東京にも、世界で5番目にオープンしたと聞いていますが、現在では20ヶ所以上あるようです。NYでも来年までには6ヶ所くらいに増えるそうなので、他の地区でも楽しめそうですね。

そして、スタバのリザーブ・ロースタリ―のお隣はアップルのショップ。この看板、他のアップル・ショップと違って、如何にもミートパッキング的にインダストリアルですね…。

クリスマスの頃にディオールがポップアップしたのも、このミートパッキング地区でした。隣にキールズ、その横にはヨガとアースレジャーブームの火付け役、ルル・レモンも並んでいますね。

アメリカではジムで鍛えることよりも、近年ヨガが凄いブームです。ウエルネスといって、心身ともに健康により良く生活することが、若者を中心に一つの宗教みたいになってきているんです。ルル・レモンはさながら、そんなムーブメントの人たちのユニフォームのようになってきていて、これを着ていないと、ヨガスタジオ行きにくい感じですね。

アースレジャーと昔ながらのインドヨガを区別しているのが、ルル・レモンのウエアのような気もします。

若者に人気のパタゴニアもあります。
元々はクライミング用の道具を作る小さな会社だったそうなんですが、“地球を救うためのビジネス”という大きなミッションを掲げて、クライミングばかりか、スキーやスノーボード、サーフィン、フライフィッシング、マウンテンバイキング、トレイルランニング用ウエアにまで広げました。

これらのスポーツ全部に共通しているのが、自然と一体になる瞬間があることだそうで、それ以外には広げない、そんな姿勢にも若者たちが共感しているようです。

環境維持とビジネスの両立をいち早く提唱した創設者のイヴォン・シュイナードは、若者はもちろんビジネス業界の、皆の憧れの的になりました。それで今では大人も若者たちも、もちろん自然とはあまり関係のないスポーツの愛好者たちも、パタゴニアを着ているんです。

ミートパッキング地区には、使われない鉄道を空中公園歩道に改装した、ハイラインが走っています。

そして…DVF。ダイアン・フォン・ファステンバーグのフラグも、もちろんミートパッキング地区にあります。

彼女の有名なスタイルは、着物のように右左が重なるラップドレスですが、ティーン・ヴォーグ誌でインターンを務める二人の若い女性の日常をテーマにしたリアリティ・ドラマ、“ヒルズ”が一大ブームを巻き起こして国民的現象になった折、そのうちの一人がスピンオフ・ドラマでビバリーヒルズからマンハッタンに渡り、そして就職したのが、このミートパッキング地区のDVFでした。その時の主人公ホイットニーの適役が、ニューヨーク社交界の花、今ではインスタグラム女王のファッショニスト、オリビア・パレルモだったんです、懐かしいですね…。

さて、これは何のお店でしょう?



正解はサムソン・ショップです。

アップルのようなショップ形態が流行していますが、折り畳み式スマホの開発でアップルの一足先をいっているサムソンが、この地区にショップ兼アートギャラリーのような不思議な空間を展開しています。
実はアップルも折り畳み式スマホを開発しているそうですが、この競争、近頃いよいよ熾烈になってきていますね。ただ折り畳み式で画面が多少大きくなっても、今のスマホより本当に便利なのかわからない気がしませんか。かえって嵩張って不便なような。

スマホより小さい画面のウエアラブルの時計が、スマホより便利とうたわれたのに今一つ伸びていない、その感じに似てしまうような気もするんですが…。

一階奥には巨大スクリーンがあります。何と55インチの大きさのスクリーンが96枚貼られているそうで、高さは30フィートにもなります。ちなみに55インチは約240センチメートルで、30フィートは9.1メートルだそうです。メートルになおすと、この巨大さを感じていただけまたでしょうか?


(写真:エルメス)

ミートパッキング地区の、石畳やインダストリアルな雰囲気を生かして、従来のエルメス層よりもずっと若い層にアピールする内装になっているようです。エルメスらしいスカーフも大胆なデザインですし、スニーカーも飾られていますしね。

2階建てで、5,330スクエアフィートもの広さで、これは日本で通常使われている坪数にすると約150坪という広さになります。一階には絹や革製品、アクセサリーやネクタイ、2階には香水が置かれているそうです。

ショーウィンドウに飾られているのは、彫刻家ルービィ・ウエスコートによる羊です。

サンフランシスコでのショーがエルメスのアートチームの目に留まって今回のコラボになったそうですが、彼女は伝統的な彫刻に、現代的な味を加えるタッチで根強いファンが多いことでも知られています。確かにエルメスのハイブランドな感じを、少しコミカルに暖かく迎え入れる効果がありますね。

さて、実際には大して広さはあまり無いんですが、おしゃれなレストランと若者に人気ブランドが立ち並ぶミートパッキング地区、如何でしたか。ではまた、ニューヨークでお会いしましょう。

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