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ヨーロッパ写真日和VOL.160『フランスはロワール地方の古城に、現代の貴族を訪ねて』

こんにちは、吉田タイスケです。前回のフィンランドからフランスへ。今回は現代に暮らす貴族の生活をご紹介。フランス・ロワール川中流域に古城が建ち並ぶ風景は世界遺産に登録されていますが、そのロワール地方で現在でも人が暮らしている最大の城が、この写真に写っているシャトー・ル・ルードです。一年に数日、庭園祭が開催される時期に伯爵家を訪ねました。

Chateau Le Lude
https://www.lelude.com

「小さな城ですよ」と紹介されたル・ルード城の庭。実は自分も最近庭のある暮らしを始めたんですが、こんなに広かったら何をどうしたら良いのか、見当もつきませぬ←現在雑草と格闘中。

庭園祭の数日は、庭に関するさまざまなものが庭園で販売されます。バラの鉢植えや花壇グッズ等々。

普段も一般公開されていますが、この日はより多くの観光客で賑わっていました。

ル・ルード城は10世紀に起源を持ち、時代をと共に増築改築を繰り返して今に至ります。イタリアン・ルネッサンス様式で装飾された塔は13世紀のもの。このお城に現在は主に伯爵家ご夫婦でお住まいなんですが、、、。

ル・ルード城の城主となり260年続いているニコライ家、現当主ジャン・ルイ。現代フランスにおいては「貴族制度」というものはなくなりましたが、肩書きは今でも残っていて、「公爵、子爵」と苗字に書くことができます。侯爵・吉田タイスケみたいな、、(何かちょっと位が上がった気分)。ただ昔と違い、今は特別な身分待遇はありませんから、一般人(?)と同様に働かなくてはいけません。この城の維持費だけでも年間数億円かかるということで、た、大変ですね、、。

イタリア貴族出身の侯爵夫人バーバラ。元はといえば、フランスで伯爵家に嫁いだ日本人女性がヴェルサイユに住んでいて、その伯爵家とこちらの侯爵家がお知り合いということで、撮影にお邪魔させていただきました。年に一度の庭園祭のオーガナイズは、全て彼女がしています。

19世紀末、ネオ・ルネッサンス様式でまとめられたグランド・ギャルリー。

招待客のランチテーブルが、テラスにも準備されています。

昼餐会の様子から。

再び庭に戻って、こちらは現代アート。作者の名前は忘れてしまいましたが、、←オイ。

お城の螺旋階段を下から。幾何学的な美しさがあります。

再び城内へ。冬は寒くて使えないと言っていましたが、普段は家族で食事をするサロン。空間が広い=テーブルも大きくなる=テーブル中心にある装飾も大きくなるという図式で、テーブルデコレーションも発達していったとか。

これはサイドボードですが、確かにある程度大きさのあるオブジェがないと間が持ちません。

庭園祭の翌日、昼食に招待していただきました。伯爵夫人曰く、ノブレス・オブリージュという考え方は現代の貴族にも共通していて、貴族としての誇りは「社会的な規範となること。自分に恥じない生き方、良心を守ることにある」と「お天道さまに恥ずかしくない生き方」を模範とする日本人に通じるものがあるような、、。
別の方から聞いた話では、「貴族は民の規範とならねば」という考え方から、会社で余計な残業や雑務を押し付けられることもあるとか(笑)。その辺りも日本人のメンタリティに共通していますね。

こちらは経緯を失念しましたが、マリー・アントワネットから手紙と共に賜った髪の毛だそう。

現在でも使われている客間です。このベッドでは落ち着けない、、と思ってしまうのは、やはり庶民だからでしょうか(笑)。布団バンザイ!というわけで、ロワールの古城からお届けしました。
次回はパリからファッション・スナップの予定です。どうぞお楽しみに。

ヨーロッパ写真日和VOL.160『フランスはロワール地方の古城に、現代の貴族を訪ねて』staff

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