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『夏のミッドタウン』ニューヨーク・ニューヨークVOL.140

マディソンです。

夏のミッドタウンは、マンハッタンの住人達がイーストハンプトンなど避暑地へと移動してしまっているせいか、国内外からの観光客で一杯のようです。

ミッドタウンのブルーミングデールズで、マークジェイコブスが夏のポップアップをしていると聞いたので、行って見てきました。

今回滞在したホテルがこちら。オヨという名前なんですが、実はこの場所には見覚えがあります。今から6年ほど前に一度滞在した折には、確か“ナイト・アウル、夜のフクロウ”という名前だったような…。

コロナ下での旅行規制が災いして、マンハッタンでは18件ものホテルが完全に閉鎖してしまったそうです。そのうち2件は、何とか再オープンできたものの、残っているホテルの中でも、このオヨのように経営者が変わって名称変更しているホテルが少なくありません。



中のロビーの様子は全く変わっていないので、やはり経営者の交代だったようです。

とはいえマンハッタンのホテルはこの夏、何処も観光客で一杯ですが、インフレの影響で滞在価格が高騰しています。その上このホテル、以前泊まった折に比べると部屋の広さ(というより狭さ?)が30%は縮小されていました。つまり同じ大きさの建物で、部屋数を増やして収益を上げられるようテイクオーバーした新経営チームが、コロナ下のお客が入らない間に内装変更していたということなのでしょう。同じ価格で中身が少なくなるポテチと同じだと思うと、何だかおかしく感じます。

ブロードウェイなどの劇場も復活して一年近いので、マンハッタン、夏の最後の休暇と言われている9月の第一月曜日のレイバーディには、1000万人もの観光客がみこまれていると報道されていました。そうそう、11月の“シカゴ”26周年記念公演には、これまで3回主演されたことのある米倉涼子さんが、4度目登場らしいですね。



今回このホテルにしたのは何といっても立地が素晴らしいからで、4ブロック歩いただけでロックフェラーセンターに着きました。

冬の間のアイススケートリンク場はこれまで夏はレストランだったんですが、何とローラースケートリンク場に変わっていました。柵を抱えて滑ると初心者でもらくらくなんですが、これは何かに似合ている…とみていたところ、年配者が歩くときに使う歩行器のようでした。

ロックフェラーセンターには、LGBTQ的なたてがみとしっぽの木馬も登場。デリック・アダムス作で“ユニコーンとの楽しい時間”というタイトルのアートです。9月9日まで、観光客を楽しませるために提供されているようですね。

ただこの夏はニューヨーク、ヨーロッパ同様熱波が度々襲ってきているので、座る前にはやけどしないよう表面を確かめて下さいとの注意書きがありました。2歳から12歳までのはずなんですが、注意書きを見ない大人も乗っていたりして…。

この夏のケイト・スペードもウィンドーがビーチ仕様です。プールサイドのカバナ、と銘打って、涼し気なビーチバッグが並んでいます。

やってきました。ブルーミングデールズのフラグシップ店。59丁目と3番街に、1861年に登場した高級デパートですが、今では大衆デパートのメイシーズ傘下に入っています。思うのは、コロナの少し前辺りからニューヨークの高級デパートのロード&テイラーやヘンリ・ベンデル、そしてバーニーズまでもが閉店してしまう中、ブルーミングデールズが持ちこたえてきたのはメイシーズ傘下ということが大きかったんではないでしょうか。

90年代のヒットドラマで、最近ネットフリックスでも再人気の “フレンズ” のヒロインの一人、レイチェルがこのデパートで働いているという設定でした。ニューヨーカーには馴染み深いデパートなんです。



入り口にはルイ・ヴィトンのディスプレー。メンズ・コレクションのシーズンだからでしょうか。スニーカーを見ても、去年亡くなってしまったヴァージル・アブローの影響が色濃くまだ残っているようです。ヴィトンの5番街フラグ店のディスプレーはどちらかというと、元のヨーロピアンなクラッシックなスタイルに戻ってしまった感じでしたが。

スニーカーに思わずハッとして立ち止まって、改めて彼の存在の大きさを感じています。



ありました。マークジェイコブスがカルーセル(メリーゴーランド)という名前のポップアップを、ブルーミングデールズ・フラグで行っているというファッション・ニュースを目にして以来、訪ねてみたいと思っていたんですね。

リゾートコレクションほどラグジュアリーなものではなく、カルーセルという名前の通り、子供たちにも人気なプールパーティをモチーフにしているようです。

水着や日焼け止め製品など、マークジェイコブスのアパレル製品やサンダル、フレグランスの他に、コラボとして髪留めで有名なエミー・ジェイや、フランキーズ・ビキニ、グッドアメリカン等の製品も並んでいます。サンディ・サプライのプール・フロート85ドル(11,475円、1ドル135円)、スロータイド・オンブレのビーチタオル70ドル(9,450円)といったプールサイド定番製品の他に、ジョセリンのバケツハット85ドル(11,475円)、シアシ・サム・ボロのブレスレット48ドル(6,480円)といったアクセサリーも加わっています。

“夏を思いっきりたのしもう!”というメッセージに溢れたポップアップでした。

ブルーミングデールズが提唱している、この夏のリゾートウエアのテーマはレトロ。左手のノースリーブ・ワンピースなど、確かに昔何処かで見たスタイルですよね。

ブルーミングデールズはこの夏、自身のブランドのアクアをスタジオ189とコラボさせて、アクアxスタジオ189として限定販売しています。アクアはブルーミングデールズの中でも売れ筋ブランドですが、一方のスタジオ189はというと、ファッションを通じて社会を変えるというミッションの元、人気急上昇中のブランドなんです。

アフリカのガーナに住む職人たちが、伝統的手法で染める生地は、強いアフリカの日差しに負けないカラフルさで目に入ってきます。スタジオ189は地元の職人たちを雇用し、さらにその技術に磨きをかけるよう指導、そうしてできたアパレルの販売利益で地元に子供たちのための教育施設を提供するという社会活動を行っています。

実はニューヨーク・コレクションの折に、ブルーミングデールズのアクア・ブランドのクリエィテイブ・ディレクターを務めるエリカ・ラフ・ハットフィールドが、スタジオ189のデザイナーを務めるアブリナ・エルウィアに連絡したことが、今回のコラボに繋がったそうです。エリカは、“ブルーミングデールズとのコラボで、2万ヤード(18キロメートル)もの長さの手作り生地を作る仕事をガーナ住民に発注できたの。それが何より有難かったわ”とインタビューに答えていました。

さて、如何でしたか。

この夏マンハッタンはヨーロッパ同様熱波にあえいでいるんですが、それでもニューヨーカーたちは外に出て、夏を満喫していいます。コロナでずっと閉じ込められてきたので、30度の暑さなんてなんのその、という感じでしょうか。

ではまた、ニューヨークでお会いしましょうね。

『夏のミッドタウン』ニューヨーク・ニューヨークVOL.140Takashi -タカシ-

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